第5話 怒り2

本来の姿を取り戻したと言ったけれど、本来の姿とは、というと、私は本当は元気いっぱいでフレンドリーなのである。

だが、知らない人が多くいる場所では、緊張して人見知りになってしまう。


三人は元気いっぱいで、きっと本来の私とも仲良くしてくれると思った。だから、私は部活が終わってから一緒に帰っているときに、わざととんちんかんなことを言って

三人を笑わせようとした。きっと、面白く反応してくれる、面白く返してくれる、そしてそれから四人で顔を見合わせて笑うことが出来る。私はそう思っていた。


だが、三人から帰ってきた返答はあまりにも冷たかった。


「何、言ってるの?」

「大丈夫?」

「頭おかしいよ」


え? どうして?


私はまたまた困惑した。三人でいるところを見たときはあんなに仲良く笑っていたじゃん。なのに、どうして私が入ったら、こんなにも冷めてしまうの。


私は怒りを覚え、どこか不信感を抱くようになっていた。

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