第3話 怒り1

クラスの緊迫した空気は、お互いが友達になったり、担任の先生が面白いイベントを催してくれるおかげで、日々少しずつ解けていき仲良くなることが出来た。最初、緊張して頭が回らなかった私も少しずつみんなと打ち解けることができ、本来の自分を取り戻すことが出来た。そして、勉強と部活、文武両道を目指して励みとても充実していた。



部活中に、三人に聞いたことがあった。中学の時は何の部活に入っていたの、と。A、陸上部。B、サッカー部。C、陸上部。私は魂を抜かれたようにその場で硬直してしまった。


え? 三人中二人が経験者? そして一人は体力を使い持久力が鍛えられるサッカー?


あなたは何をしていたの、と逆に聞かれて私はまた困惑した。何もしていなかった、いや厳密にはソフトテニスを一年だけしていた、なんて言いたくない、言えるわけがない。だが、グイグイと聞いてくる三人の圧に私は負けて口を開いた。


「私はソフトテニスをしていたの」


あまりにも恥ずかしすぎたので一年だけという部分は省略した。別にどれくらいやっていたかは聞かれていないから、と自分に言い聞かせてあえて言わなかったということにした。


「へぇ、そうなんだ」


何なの、その反応。こうなるとわかっていたから言いたくなかったのに。そしてどうしてあの元気な大きな声で反応してくれないの。他の人が答えたときは、え、すごいね、と目を丸くして口角を上げて元気な大きな声で反応していたのに。


私は怒りを覚えた。




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