第2話 A、B、C
「あなたも陸上部の見学に来たの!?」
私はあまりに大きな声で元気にそう聞かれ、困惑した。初めてで分からないことばかりで緊張し、頭が回っていない私にその元気さは正直しんどかった。
「は、はい……」
「そうなんだ!!」
これが私と彼女たちとの出会いだった。名前は順に、A、B、Cとでもしておこう。
自己紹介をされ、私も小さく自己紹介をした。
そして、私たちは、同じベンチに座り、時々練習に参加させてもらった。その中で、コーチの姿を見ないことに違和感を感じ、マネージャーさんに聞いてみると、あまり先生は来ない、と言われた。じゃあ、一体コーチは何をしているんだろう、と思った私はどうしてなんですか、と聞いた。選手たちはお互いに教えあっているんだよ、コーチは時々新しいことを教えてくれて、また時々個々で教えてくれるんだよ、とマネージャーさんが教えてくれた。下校時間を迎え、電車の方向が同じ人は一緒に駅まで歩いて乗り、自転車の人とは別れて、私は家に帰った。
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