第73話 デートをした。② (ver.長友桜)




 それではお楽しみください(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾




---------------------




 俺達はゆっくりと由比ヶ浜を歩いていた。今は梅雨の時期なので泳いでいる人は余りいないが、今日は良い天気なので砂浜にはそれなりには観光客がいた。


『康太先輩、あそこに座りませんか?』


 長友さんが指をさしたのは砂浜近くのコンクリートの場所だった。その近くにはアイスクリームの移動販売をしている車がある。


『ああ、良いぞ。アイスクリームも食べるか?』


『はい!一緒に並びましょう!』


 俺達はアイスクリームを買うために列に並んだ。それなりに暑い日ではあるので、みんなアイスクリームを買って砂浜を楽しんでいる。


 そして5分ほど並んでようやく受付まで来た。


 移動販売なので種類はそこまで多いわけではない。ただどの味も美味しそうだった。


『いらっしゃいませ!ご注文を承ります。』


『んー……俺はバニラにするけど、桜は何にする?』


『そうですね…… 私はストロベリーにします!』


『わかった。それじゃあバニラと苺を一つずつカップでください。』


『承知いたしました!お値段は500円になります。』


 俺はお金を払い、受付の横に並んだ。そして厨房的な所からアイスクリームが出てきた。


『ありがとうございます。それじゃあコンクリートの所で食べるか。』


 俺は2つのカップを両手に持ってコンクリートまで向かった。そしてそれぞれ座りアイスクリームを食べ始めた。


『何か海を見ながらゆっくりするって言うのも良いですね。』


『そうだな、普段仕事が忙しいから癒されるな。』


『あの…… バニラは美味しいですか……?』


『ああ、美味しいぞ。』


『私のストロベリーも凄く美味しいです。良かったら食べますか……?』


『じゃあ……少しだけ貰って良いか……?』


『はい、それじゃあ…… あーん……』


『いや、俺がそこから取るからあーんしなくて良いよ!』


『ダメです…… 今日はデートですよ? カップルらしい事やりたいです!』


 そう言われてもだな……人前でやるのは流石に恥ずかしいんだけど……


『早くして下さい……恥ずかしいです……』


 俺はもうどうにでもなれと思いながら、アイスを頬張った。


『うふふっ…… 私達カップルに見えますかね?』


『あ、ああ…… 見えるんじゃないか……?』


『それじゃあ今度はあーんして欲しいです!』


『えっ……!?』


『私がやったらお返しは必要だと思うんです!なので、はい。』


 長友さんは目を閉じて口を開けた。口を開けてなかったらキスシーンだぞこれ……


『わかったよ……それじゃあいくぞ。』


 俺はアイスを長友さんの口に入れた。何か餌付けしている気分になった。俺の思ってる事雰囲気のへったくれもないな……


『嬉しい…… ありがとうございます……』


 頬を赤らめながらそう呟いた。アイスを食べ終えた俺達はその後は他愛もない話をしながら由比ヶ浜を歩いた。


 その後は鎌倉中心街へ戻り、名物であるしらす丼を食べた。これを今までずっと食べたかったんだよな。めちゃくちゃ美味かった。


 そして次に鎌倉と言えばここだろうと言う所に来た。


 そう、大仏だ!観光客でごった返しているが、その中でも異様な程の存在感を放っている。


『この大仏めちゃくちゃでかいな……』


『そうですね…… 私の何倍ぐらいですかね……』


『座っててこの大きさだからな。』


『ちょっと中に入ってみませんか?』


『そうだな、せっかく来たし中入ろうか。』


 俺達は列に並んだ。もう自然と向こうから手を繋いでくる。解く必要もないのでそのままにしているが、やっぱり長友さんと手を繋ぐのは慣れない分恥ずかしいな……


 そして数十分待ってようやく中に入ることが出来た。


『わぁ…… 胎内めちゃくちゃ広いですね!それに窓みたいな所もありますよ!』


『凄いなこれ…… 来て良かったよ。』


『私と来て良かったですか……?』


『ああ。桜と来れて良かったよ。』


『嬉しいです!それじゃあここ見た後は鶴岡八幡宮に行きますよ!』


『そうだな、そっちも鎌倉のメインだしな。』


 俺達は大仏を堪能した後、鶴岡八幡宮へ向かった。


 鶴岡八幡宮へ向かう参道はもう人人人という感じだ。いや、これ鎌倉だと何処でもこうなるな……


 ちなみに俺の豆知識だが、参道は入り口と出口で道の幅が違う。遠近法が使われている。これは鶴岡八幡宮を遠くに見せる意味だったり、敵の侵入を防ぐなどの目的があるらしい。


 そしてこの周りには色んなグルメがある。鳩○ブレはお菓子で1番有名だろう。それにソーセージや煎餅、団子にワッフル。本当に何でもある。しかもそれぞれがめちゃくちゃ美味しそう。


 俺達は結局悩みに悩んだ結果、ワッフルを買って、食べ歩きながら参道を歩いている。


『ここも凄い人ですね……』


 長友さんはそう言いながらワッフルを持つ逆の手で俺の手を強く握る。


『ああ、そうだな…… もうすぐ鶴岡八幡宮だぞ。』


 そして参道の出口まで来た。


『ここ、本当に道の幅違いますね!めちゃくちゃ狭くなってる!』


『それはだな……』


 歴史好きの俺は嬉しくてついいっぱい語ってしまった。こういうウンチクを言う男ってダメなのは知ってるんだけどな……長友さんは俺の顔をポカンと見てしまっている。


『ちょっと語りすぎた……その……ごめんな。』


『いえ…… 私康太先輩の歴史好きな一面が見れて嬉しかったんです!会社だとそういう一面が見られないので…… これでまた康太先輩の理解が深まりました!』


『そう言われると何か気恥ずかしいな……』


 俺はいつもは小悪魔的な雰囲気を漂わせる長友さんが、とても健気に俺の事を言ってくれるので、少し恥ずかしくなってしまった。


 そして長友さんは嬉しそうに俺の手を引いて鶴岡八幡宮へ連れて行った。





 ---------------------




 デート回はそれぞれ3回ずつを予定しています。これが終わると美川彩を混ぜてから、物語の分岐パートへ行きたいと思ってます。廣瀬が関わってくる所です。


 やはり本作品はラブコメであるため、シリアスよりも甘い要素は多めにしたかったのでこの構成になってます。


 物語の進みが遅いと思われている方は申し訳ありませんが是非お付き合いください。


 この作品を応援してくれる方は星とフォローのほどよろしくお願いします(●´ω`●)


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る