第72話 デートをした。① (ver.長友桜)



 それではお楽しみください(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾





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 今日は土曜日、長友さんとのデートの日だ。なんでも鎌倉へ行きたいと昨日連絡があった。俺は横浜市民であったのに鎌倉へ行った事が無いから案外楽しみだったりする。


 そして朝早くから家へ来ると行ってたので、俺も早起きをしてデートの準備をした。長友さんは俺のことを好きだと言ってくれているので、変な格好でデートは失礼だからな。


 朝9時になったちょうどにインターホンが鳴った。多分それより前に着いていたのだろう。俺は長友さんとデートへ向かうために玄関を出ようとした。


『康太君、鎌倉楽しんでね? いってらっしゃい!』


『ああ、ありがとう。それじゃあ行ってくる。』


 いつも女の人と関わると機嫌が悪いのに今日は妙に機嫌が良いので逆に不気味だ……


 今日はドライブデートだけど、さすがに彩の車を使うわけにはいかないので、マンション内にあるカーシェアを使うことにした。最近のタワマンはマンション内にカーシェアがあるらしい、凄いな……


俺はエントランスまで降りた。すると長友さんが待っていた。


 長友さんは白のワンピースとデニム生地のアウターという凄くシンプルではあるが、そのシンプルさが長友さんの素材の良さを引き出すという格好になっている。俺がシンプルな格好をするとただのモブになるのにな……


『あ、児島さん!おはようございます!今日はよろしくお願いします!』


『ああ、おはよう。今日はよろしくな。それに服似合ってるよ。』


『えっ…… ちょっとやめて下さい…… 流石に心の準備が……』


『いや、服を褒めただけなんだけど……』


『私にとっては大きな事なんです!まあ良いです、それじゃあ鎌倉行きましょう?』


『そうだな、駐車場がある地下に降りるぞ。』


『はい!』


 俺達は地下に降りてカーシェアの車に乗った。事前にコンシェルジュさん経由で予約していたが、ここも外車しかない…… 今回はベ○ツだ。保険には入っているが傷つけたら法外な値段がしそうなので気をつけよう……


『児島さん、私ベ○ツ初めてです……』


『それは俺もだ……』


『事故らないで下さいね。』


『ああ、善処するよ……』


 俺達は鎌倉へ向けて出発した。


 鎌倉へ向かうのも高速を使うが、今回は首都高速の1号線だ。東名だと少し遠回りになる。


 高速に乗っていると緊張して喉が渇いてしまう。俺は長友さんに頼んで飲み物を取ってもらうことにした。


『長友さん、飲み物ってある?』


『はい、ちゃんと持ってきましたよ。それじゃあ飲ませますね?』


『え?飲ませるって?』


『実は紙パックのしかなくて…… なのでストローを児島さんの口まで入れてあげます!』


『いや、紙パックのまま渡してれたら良いからね?』


『ちょっと何言ってるかわからないです…… はいどうぞ?』


 長友さんは紙パックに刺さっているストローを俺の口の前まで持ってきた。


『あの…… 早くしてくれると嬉しいです…… ちょっと恥ずかしいので……』


 いや、俺も恥ずかしいよ。てか恥ずかしいなら渡せば良い気がするんだけど…… まあもう良いや。俺は意を決して飲んだ。


 喉の渇きは潤ったが、味がほとんどわからなかった。


『はい、どうでしたか?』


『まあ喉の渇きは潤ったよ、ありがとう……』


『もう、そういう事じゃないのに……』


 こう言ったちょっとした仕掛けを運転中されたが、何とか鎌倉まで来れた。


 土日の鎌倉はとてつもなく人が多い。平日の新宿並みに人がいる。


『わぁ…… 凄い人ですね。あの…はぐれないように手を繋いでくれませんか?』


『そうだな、流石にこれははぐれそうだ。』


 俺は彩にするように自然と手を繋いだ。


『あ、ありがとうございます…… 児島さんの手って大きいですね…… 男らしいです……』


 長友さんは恥ずかしいのか下を向きながらぽそっと呟いた。てか俺も自然と手を繋いだが、彩で慣れてただけで長友さんと手を繋ぐのは初めてだから少し恥ずかしい……


『あ、後…… 今日はデートなので児島さんと呼ぶのではなくて康太先輩って呼んでも良いですか?』


 康太先輩だと…… 下の名前に先輩をつけられるとなんかむず痒い。しかもそれを長友さんみたいな美少女の様な人に言われると尚更だ…… まあこれも埋め合わせだから希望は叶えよう。


『あ、ああ…… 良いぞ……』


『やった!そ、それと…… こ、康太先輩も私の事を名前で呼んでくれませんか……?』


 何かめちゃくちゃ注文くるけど…… 俺はホストですか?ロー○ンドさんみたいにカッコよく無いですし……


『桜…… これで良いか?』


『はい!それじゃあまずは江ノ電に乗って由比ヶ浜に行きましょう!』


『ああ、わかった。それじゃあ行くか。』


 俺達は江ノ電に乗るために駅舎へ向かった。土日の江ノ電は入場制限がかかるほどの人混みで物凄い列を成していた。30分ほど並んでようやく電車に乗れた。


 ただ電車の中も平日の通勤ラッシュ並みの人で溢れかえっていた。


『ちょっとこれは凄い人だな……』


『そ、そうですね……』


 そして電車が動き出すと、どうしても長友さんと密着してしまう…… やばい……心臓がバクバクしている……


 長友さんは小柄な体型で可愛いが、こういう満員電車だと埋もれてしまって他の人に触られたりしてもわからない…… なので俺は長友さんを痴漢から守るためにドア付近で壁ドンみたいな体制になってしまっている。


『こ、康太先輩…… ありがとうございます……』


『いや俺は大丈夫だ。さ、桜は大丈夫か?』


『はい…… 康太先輩のおかげで。ただ私達凄く密着してますね……』


『そこはごめんな…… 少しの間だけ我慢してくれ。』


『(私はずっとこのままでも良いんですけどね……)』


 そして15分ほど乗ると由比ヶ浜の最寄りに着いた。最近は電車の方向が逆だった為久々の満員電車で中々に疲れた……


『康太先輩、それじゃあまた手を繋いでください。』


『由比ヶ浜はそこまで混んでないぞ?』


『あ……それは…… あ、私今ヒール履いてるので危ないかもしれないじゃないですか? だからです!』


 とってつけた様な理由だったが、今日は大人しく全ての要望を聞いておこう。


『わかったよ…… ほら、行くぞ。』


 俺達は手を繋いで由比ヶ浜へ向かった。





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