第56話 実家訪問をした。②

 

それではお楽しみください(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾



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 俺達は朝子さんの案内でリビングへ通された。そしてソファーに座るように言われた。


 朝子さんはお茶をいれてくれるなどめちゃくちゃもてなしてくれる。一方で憲二さんはやっぱりしかめ面のままだった。


 俺はもう心臓がはちきれんばかりに緊張している。彩の両親にまで偽装結婚していると騙さなきゃいけないんだから。


『康太さん、どうぞおくつろぎください。そこまで緊張なさらずとも良いんですよ。』


『お気遣いありがとうございます……』


『康太君、めちゃくちゃ固いよ、リラックスして!』


『そう言われてもな……』


 俺は憲二さんの顔色をずっと伺っている。するとおもむろに口を開き、憲二さんが喋り始めた。


『児島康太君だったかな? 何故結婚する前に一言も挨拶が無かったんだ。それに彩、この間まで付き合ってた男はどうなったんだ!』


『仕方ないじゃない、彩は芸能人なのよ。そんな事もあるわよ。』


『俺は朝子に聞いてるんじゃない!児島君に聞いてるんだ!』


『ごめんなさい……』


『お父さん、そこまで怒鳴らないで!お母さんが可哀想だよ。それにその人とはもう終わったわよ!』


『すみません、きちんと説明します。』


『康太君……』


『やっぱり隠し事は良くないと思うよ…… 両親にはきちんと説明しない?』


『うん……』


『ありがとう。それでは一から説明します。』


 そうして俺達は一から説明した。どうやって彩と出会ったのか。そして偽装結婚したのか。また彩は廣瀬と付き合い続けている事、そして廣瀬に婚約者がいる事。全て包み隠さず話した。


 俺は正直冷や汗が止まらなかった。俺が計画した事ではないにしろ、人様の両親を騙していたわけだ。しかも説明も無しに。


 俺はぶたれたり、お茶をかけられる覚悟をしていた。


 すると両親共に俺に頭を下げてきた。


『児島さん、本当に申し訳ない。彩の頼みに付き合わせてしまって……』


『えっ…… 僕はてっきり怒られると思ってたんですけど……』


『こんな事を娘が頼んで、児島さんにどれだけの迷惑をかけたかわからない…… ただ親が出来る事はあなたに誠心誠意謝る事だと私は思う。』


『やめてください、これは僕自身納得してやっている事なので。』


『そうは言ってもだな…… こちらから何かお詫びをしないと気が済まない…… それに対価もほとんど貰わずやっているそうだしな……』


『それも僕が納得している事なので。ただ一つだけ頼みを聞いてくれませんか?』


『なんだ?何でも聞こう。』


『それじゃあ、厚かましい頼み事だとは思いますが、彩さんを責めないでいただけませんか?彼女も偽装結婚したくてしている身ではないので。』


『児島さん…わかった。彩、お前を怒ろうと思ったがやめにする。それと愛出てきなさい。さっきからそこにいるのは知ってる。』


『あ、バレちゃってたか…… あ、安心してね?偽装結婚については前から知ってたから!』


『えっ、嘘!? 愛、いつ知ってたの?』


『初めて家に行った日だよ!お姉ちゃんとお兄ちゃんとも私がいるのに偽装結婚の話してるんだもん。ちゃんと気をつけなきゃ』


『あ、もう… それじゃあ今までのも全部わかっててやってたわけね?』


『それは…… それじゃあ私は二階の自分の部屋に戻ります!』


『こら、愛! 覚えておきなさいよ!』


『まあそこまでにしておけ。ただ廣瀬とかいう奴はどうなってるんだ? 普通偽装結婚なんてさせるのか?』


『それは……』


『彩、前回家に帰ってきた時はすっかり変わった人間になったと思ってた。芸能界に染まったと。


 でも今回帰ってきた時は、昔の彩に戻ってた。正直私は嬉しい。これも多分児島さんのおかげだろう。』


『それは私もそう思うよ…… 康太君にはとても感謝している。』


『それに気付いていないかもしれないが、さっき児島さんのことを楽しそうに話してたんだよ。自分の気持ちには気付いていないかもしれないけどな。まあとりあえず今日はせっかく来たわけだしゆっくりしてくれ。』


『うん……わかった。康太君はゆっくりしてて。私は愛を連れてくるから。』


『わかった、ありがとう。あんまり愛ちゃんを怒らないでね。』


 彩は忠告を聞かずに2階へ上がった。色々と物音が聞こえてきたが、聞こえなかったことにしよう。彩が愛ちゃんを連れて降りて来た時には、愛ちゃんはげんなりしていた。


 そして彩の両親も事情はわかってくれたみたいだ。俺としても一安心といったところだ。


 今回の実家訪問はこれから何もなく過ごせそうだと思った。ただ少しだけ予想は外れたんだけど……また愛ちゃんにやられるとはね……



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 新作を投稿します!金曜日の朝7時、昼12時、夕方17時です。その日は3本投稿します。


 題名は『陰キャの俺の彼女が実はアイドルだった!? 〜マネージャーになって芸能界トップを目指す〜』です。


 是非ご覧になってください!


 また良ければこの作品も星とフォローのほどよろしくお願いします(●´ω`●)

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