第41話 side 美川彩①

 明日も7時と17時に投稿する予定です。ではお楽しみください(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾


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 ここ2週間の濃密さは凄かった。報告会が終わった後は怒涛のように仕事が舞い込んできた。


 そしてなんといっても主演を務める『逃げるは恥だけども役にも立つ』の撮影が始まった。


 私はこの作品がとても力の入っているものだと知っているし、なんとしても成功させるつもりだった。


 内容が内容なので、少し他の人よりも役に親近感が湧いて、演技は今まで以上に素晴らしいと自負している。


 ただ土曜日は信じられないような1日だった。


 私は雄大さんの局だから雄大さんに会えるのを楽しみにしていた。雄大さんは出来た人だから康太君にお礼を言うと伝えてきたのでその場をセッティングした。


 その分ショックはとても大きいものになった。


 雄大さんは表向きは康太君に感謝を述べつつ、一緒に住んでいる彼に嫉妬していた。正直それを態度に出さないで欲しいがいっても聞いてくれるわけでもない。


 また私の前に婚約者を連れてきた。


 私もひどい表情をして、大人気ない言い方をしていたように思う。


 それでもいくら大切なスポンサーだからって私の前に婚約者を連れてくる神経がわからなかった。


 私はもう何も考えられなかった。


 気付いたら既に私は走り始めていた。どのくらい走ったかはわからない。


 ただ1人になりたかった。だから屋上に来ていたように思う。


 しばらくすると康太君と斉藤さんがやってきた。


 康太君は私を慰めてくれた。それに泣いていた私を見て側に寄り添ってくれた。


 私はこの人に助けられてばかりで情けなかった。でもその優しさに心は救われている。


 それに加えてこの話は美玲にも聞かれていた。美玲は私の1番の親友だ。


 美玲はこの話を聞いて私を励ましてくれたのと同時に、かなり康太君を気に入ったようだった。


 すぐに康太君と連絡先を交換して、私をスタジオまで連れて行ってくれた。


 私は2人に励まされ、支えてくれたおかげで精神的に限界が来る直前で立ち直れた。仕事にも真摯に向き合えるようになった。


 そして家へ帰ろうと用意をしていた時、康太君が美玲に食事に誘われていた。


 私もその日ストレスが溜まっていたので久々に美玲と飲み明かしたい気分だった。


 そのため康太君に私も行くと伝えてもらい、3人で食事をすることになった。


 その席は正直本当に楽しかった。美玲にいっぱい愚痴を吐けてスッキリした!ちょっと康太君置いてきぼりにしたのは申し訳なかったけどね。


 そして帰宅する頃合いになり、私がお手洗いに行っている間、何か2人が話していたみたいだったが、美玲は既にいなくなっていた。


 一言もないのかと少し寂しく思っていた時、RINEが美玲からきた。


『彩、今日は楽しかったよ、ありがとう。


 それと大切にすべき存在は誰なのかは、自ずとわかると思う。


 彩を支えてくれる存在の人はすぐ近くにいるよ。


 それじゃあまた明日の撮影でね。』


 内容の意味はわかった。多分美玲は康太君を選べと言いたいんだろう。


 ただ私は雄大さんに支えられてきたし、私も彼の力になりたいと思って今まで過ごして来た。まあ今回みたいに傷つけられる事はあったけれど。


 でもその反面、たった2週間だけど康太君にもかなり支えてもらっている。それに彼は絶対に私を傷つけない。私の気持ちを1番に考えてくれる。


 だからってすぐに気持ちが変わるわけじゃない。雄大さんとは5年も付き合っている。


 それを無下にするわけにはいかない。


 だから私に出来ることは支えてもらっている康太君に少しでも恩返しをし、仲良く暮らしていくこと。


 それに変わりはない。


 申し訳ないけれど今回ばかりは美玲のアドバイスには従えなかった…。


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