第40話 デートをした。④

 今日は7時と17時に投稿します。それではお楽しみください(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾


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 俺達はエレベーターで上階へと昇り、東京を見下ろしていた。


 普段のマンションもそれなりに高いが、ヒルズはやはり別格だった。俺達のマンションが見えるが、100mほど下にある。


『ねえねえ、康太君!あっちにドームが見えるよ!』


『ああ、そうだな。てか横浜まで見えてるよね?あれって横浜の有名なビルじゃない?』


『うわっ、本当だ!康太君、ちょっと写真撮って!』


『良いぞ、彩のスマホでいいか?』


『うん、ありがと!』


『じゃあここから撮るね。』


『もう、違うよ!2人を撮るの!私だけ撮っても意味ないじゃん!』


『え、でも……。』


『もう、とにかくやるよ!康太君の方が手が長いからインカメで自撮りしてね!』


 すると俺達を尾行してきている人が話しかけてきた。俺はより警戒した。


『んんっ、すみません。もし良かったら私が取りましょうか?』


 ん?この人女か?声変えているようだけど、男の人よりは高いな。


『どうする、彩? 頼んでもらうか?』


『そうだね!すみませんがお願いしまーす。』


『はい、大丈夫ですよっ!それじゃあ2人とももっと近寄ってください。』


『こう…かな…?』


 そう言って彩はめちゃくちゃ近づいて来た。もう肩と肩が触れ合っている。


『良いですね〜、それじゃあ撮りますよ!はいちーず!(カシャッ)』


『どうでしたか?』


『良い写真ですよ、もう一枚いきますね!』


『『ありがとうございます!』』


『んー、今度は腕でも組まれてはどうですかね?見たところ夫婦みたいですし。』


『俺は大丈夫だけど、彩は…その…大丈夫か?』


『ええ…それじゃあお願いします。』


 そう言って俺は腕を少し上げ、彩は俺の腕を組んできた。


 これは何とも言えないが大事な柔らかい所が当たっている。もう意識がそっちにしかいかない…


『おお、めちゃくちゃ良いですよ!それじゃあ撮りますよ!はいちーず!(カシャッ)』


『んー、最高!次はハグとかしちゃいましょうか!』


 ん?この人なんかおかしくないか?


 服装めちゃくちゃ地味でサングラスとマスクとかしているのに、すごいテンション高いんだけど…。


 それに普通知らない人の写真でハグしてみようとか言うかな…


『ちょっと…あなたマスクとサングラス外してくれないかしら?』


『えっ…それはちょっと…。』


『ふーん、わかった。じゃあ私が取ってあげる。サングラスしてちゃスマホ見にくいでしょう?』


『いや、それはちょっと、やめてください…。』


 そう言って彩は彼女のサングラスを取り上げた。いや、見知らぬ人にそれはまずいんじゃと思ったが…


 ああ、そういうことだったのか。週刊誌なんかじゃなかった。


 目元が愛ちゃんだった。愛ちゃんも目を泳がせて彩を見れないでいる。


『なんで愛がここにいるのかしら?』


 彩がそう怒りを含ませた声で愛ちゃんに尋ねた。愛ちゃんはタジタジになっている。


『いや、それはちょっと…2人がラブラブしている所を見てみたかったと言いますか…その…。』


『言い訳は家に帰ってから聞かせてもらいましょうか。覚えておきなさいよ、愛!』


『はい、すみませんでした…。』


 普段は愛ちゃんの方が彩を振り回している感じだけど、実際には愛ちゃんは彩に頭が上がらないんだ…。


『まあ映画のチケットに免じて今は許してあげるわ。とりあえずヒルズは楽しみましょう、康太君。』


 彩は愛ちゃんを置いて俺の手を引いてヒルズを周り始めた。まあ彩の行きたい所に行くのもわりと楽しかった。カフェでケーキを食べたり、タピオカ飲んだり。


 初めてのデートは俺にとってある意味忘れられない思い出になった。


 ただ家に帰ってからの愛ちゃんが少し不憫に感じてしまったのは言えなかった…。


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