第10話 幼馴染の耐性を付けたい

二人で家に帰ってから数分後、俺の初心な所を治すため、陽葵との刺激強めな夜が始まった。


「おかえりなさい、あなた♡」


いきなり破壊力高めな言葉を聞いて、俺の理性と意識が大きく揺らぐ。


まあ、理性が揺らいだ所で襲うようなことはしないけど。


「ああ、ただいま」


俺は靴を脱ぎ、リビングに入ろうとする。


すると、陽葵からいきなり質問された。


「お風呂にする?ご飯にする?それとも……わ・た・し?」


「ぐはっ!?」


凄まじく破壊力のある質問に俺は倒れそうになる。


「大丈夫!?ゆうくん!?」


「ああ…大丈夫、気にすんな」


こんなところで気絶するのは陽葵の彼氏として、男としてあってはならない。


それに、倒れた理由が彼女による出血多量のキュン死というのは流石にダサすぎる。


「じゃあ、ご飯で……」


俺はさっきの陽葵からの質問に答え、二人でリビングに入った。





「今日の夜ご飯はなに?」


「今日はね〜、肉じゃがだよ〜」


「おー、いいね〜」


何とか裸エプロン姿の陽葵と会話をすることに慣れてきた。


というか、こういう会話をしていないと無意識な陽葵の一言で俺の意識が危うくなってしまう。


それに、会話をしているにはしているのだが、まともに陽葵の方を見て会話は出来ていない。あまりにも見た目の刺激が強すぎる。


しかし、ずっと見ないで会話をするのも陽葵に失礼だ。


それに、陽葵を見なければ裸エプロンをしてくれた意味が無いだろう。


俺は覚悟を決め、陽葵のいるキッチンの方を見た。


すると…


「!??」


俺の見たタイミングが悪かった。陽葵の後ろ姿を見てしまったのだ。


裸エプロンなら、前の露出度は大事な部分が隠れているためまだ大丈夫だった。まあ、普通の格好に比べたら全然大丈夫ではないけど。


しかし、後ろには守る布が何も無いため、陽葵のぷりんとした白い綺麗なお尻が見えてしまった。


その瞬間、俺の意識は真っ暗になった。





どのくらい時間が経ったのだろう、目を開けると、俺は陽葵に膝枕をされていた。鼻にはティッシュが詰められている。


まさかと思い、勢いよく起き上がり陽葵の姿を見る。幸いにも、しっかりと服を着ていた。


「大丈夫?ゆうくん」


「あぁ……ごめん」


俺は自然と陽葵に謝っていた。


「こんなダメな彼氏で…本当にごめん。嫌ならもう俺の事なんて見捨てて……」


そう言おうとした瞬間、柔らかい感触に包まれた。


「全然ゆうくんはダメなんかじゃないよ」


「え…?本当に?」


「うん、だってゆうくんは私のために頑張ってくれたんでしょ?」


「まあ、そうだけど…」


「それだけで私は嬉しいよ」


「でも、あんまりたくさんイチャイチャ出来ないよ?それでも陽葵は大丈夫?」


「まあ、ちょっと残念だけど、これから二人でゆっくりとイチャイチャしよ?」


「ああ、本当にありがとうな」


「あ、でも時々キスとかハグとかしてくれないと怒っちゃうかも〜」


「あんまり頻繁にはやめてくれよ?」


「も〜、分かってるよ!」


ぷくっと頬を膨らませながら言う陽葵が可愛くて、俺は笑った。


残念ながら、俺の悩みは解決することは出来なかった。


でも、俺と陽葵の愛情は深まった気がする。

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