第5話 幼馴染と始まる同棲生活

刺激のあったお昼ご飯を食べてから数時間後、俺の幼馴染であり、彼女でもある陽葵は俺の家で当たり前のように夕飯を食べていた。


「陽葵ちゃん、お料理上手ね〜」


「本当だなー、俺はお前が羨ましいよ裕太〜」


「ああ、そう…」


「これから陽葵ちゃんが家で暮らすって考えると、何だか不思議ね〜」


「そうだね母さん、これからよろしくな、陽葵ちゃん」


「はい、よろしくお願いします」


と、陽葵は俺の家族と仲良く話をしている。


正直、陽葵が昨日の様に俺の家で母さんと夕飯を作り、一緒に食べているのが不思議で仕方がない。


てか、もうお泊まり終わったんじゃないの?


時は放課後にまで遡る。


授業が終わり、学校を出た俺と陽葵は二人でお互いの家まで帰っていた。


「ねぇ、これからも裕太の分のお弁当作ってもいい?」


「マジ?陽葵が良いなら頼むわ」


正直、昼食の間接キスと手を繋ぎながら帰っている今、俺の脳内キャパが限界寸前だった。


「そういえば、今は『裕太』って呼んでるけど、他の呼び方してもいい?」


「ああ、別にいいけど、何て呼ぶんだ?」


俺は今まで陽葵にも友達にも『裕太』としか呼ばれる事が無かった。


何と呼ぶのか気になっていると、陽葵が俺の事を呼んできた。


「ねぇ、ゆうくん♡」


「お、おぉ…」


陽葵からのいきなりの『ゆうくん』呼びに照れながら返事すると、陽葵は幸せそうに笑った。


そして家の前に着く。


「じゃあ、また明日学校で」


「うん、あ、ちょっと話があるからお家で待ってて」


「え?ああ、分かった」


玄関のドアを開けてリビングに向かうと舞菜が話しかけてきた。


「今日の学校どうだった?陽葵ちゃんとイチャイチャできた?」


「ああ、まあな」


本当はめちゃくちゃイチャイチャしたが、自分の口から言うのは流石に恥ずかしすぎる為、曖昧な返事をする。


そこから怒涛の質問攻めをくらった俺は舞菜を静かにさせ、自分の部屋に向かおうとする。


すると、玄関のドアが開く音がした。陽葵かと思い、行ってみると両親が帰ってきた。


「あれ?二人とも早いね、もう仕事終わったの?」


「いや、ちょっと話したい事があってな、早めに切り上げて来たんだよ」


「話したい事?」


俺が両親に尋ねようとした時、玄関のインターホンが鳴った。


「お邪魔します」


陽葵が昨日より大きな荷物を持って、家に入って来た。


「ん?陽葵、何そのキャリーバッグ?」


すると、陽葵より先に父さんが口を開いた。


「実は話というのは、お前と陽葵ちゃんについてだ」


「え?俺と陽葵についての話?」


すると次に陽葵が口を開いた。


「私、今日からこの家で暮らすの」


「え?また泊まるんじゃなくて?」


「ううん、暮らす」


「え?どれくらい暮らすの?」


「んー、ずっとかな〜」


「……マジで?」


話を聞くと、どうやら陽葵の両親が仕事の関係で家を離れるらしい。


陽葵の両親の職業については知らないが、かなり大きな仕事らしく、しばらく家に帰れないとの事。


そのため、一人になる陽葵を俺の家に住まわせる事になったらしい。


ちなみにこの事は俺以外の家族は全員知っていた。


……え?何?俺ハブられてんの?


「え?俺初耳なんだけど…?」


「んー、サプライズ…かな♡」


おぉ…俺の彼女めっちゃ可愛い……じゃなくて!


「いや、俺は良いんだけど……え?マジ?」


俺が戸惑っていると、


「お兄ちゃん、私達は大丈夫だよ」


そう言いながら俺の家族は全員ニヤニヤしながらこちらを見ていた。正直気持ち悪い。


「まあ、うちの家族は全員陽葵ちゃんウェルカムだから!」


「そうよ〜、いっその事裕太と結婚して欲しいくらいよ〜」


なんかすごい俺の家族が陽葵を信頼しきってるんだけど!?


「ゆうくん?」


陽葵に呼ばれて振り向く。


「これからよろしくね♡」


こうして、陽葵との同棲生活が始まった。





更新遅くなってすみません<(_ _)>これからはなるべく早く更新出来るようにします!

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