第3話 幼馴染と少しの同居生活

家族と陽葵と一緒に仲良く夜ご飯を食べた後、俺は陽葵を部屋に案内した。


とはいえ、空き部屋はあるがわざわざ掃除するのも面倒なので、妹の舞菜の部屋で一緒に寝てもらうことにした。


陽葵を舞菜の部屋に案内した後、俺は自室に戻った。


今日は色々な事がありすぎて疲れた。まさか一度フラれた幼馴染から告白されるとは思わなかった。しかも元から俺のことが好きだったなんて…


「ふぅ…風呂入るか…」


自室でそう呟いた俺は、いつもより早いがお風呂に入るために脱衣所に向かおうと部屋を出た。


いつもより長い時間お風呂に入って、リラックスする為だ。


すると、ほぼ同じタイミングで陽葵が部屋から出てきた。


「お、どうした?陽葵」


「あー、ちょっとお風呂借りようかなーって」


偶然お風呂に入るタイミングが被った俺は、陽葵にお風呂を譲ろうとした。


「あ、それなら先に入っていいぞ」


「え、裕太もお風呂入りたかった?」


「まあな、でも俺はまだ入らなくてもいいかな」


それに、きっと俺よりも陽葵の方が疲れているだろう。一度振った相手に告白したんだから。


そう考えてると、陽葵から驚きの提案を受ける。


「じゃあさ、一緒に入る?」


「…え!?」


「いいよ?私は…」


「んー…」


正直、めちゃくちゃ入りたい。しかし、このまま一緒に入るのは恥ずかしいし、俺の大事な部分が……


「じゃあ、水着着ればいいじゃん」


「うわぁ!?」


後ろを見ると、そこには舞菜の姿があった。


「水着着れば、恥ずかしくないよ?お兄ちゃん」


俺の頭の中の悩みを解決する提案をしてきた。え?何なの?うちの妹、俺の心の中読めるの?


「じゃあ、水着着るなら…いいぞ?」


思わず上から目線で返事をしてしまったが、これで陽葵と一緒にお風呂に入る事になった。





脱衣所で水着姿になった陽葵と対峙する。


妹の水着を借りた陽葵。しかし、若干サイズが合っていないからか、少し胸の主張が激しい。


「じゃあ、入ろっか!」


「お、おう」


やけに元気のある陽葵に気圧されたが、俺も乗り気になって一緒にお風呂に入る。


「体、洗ってあげよっか?」


「マジで?いいの?」


「あ、やっぱり洗って欲しかったんだ〜」


「ま、まあな…」


「も〜、素直じゃないんだから〜」


陽葵が俺の背中を洗う。正直、今めちゃくちゃ幸せだ。まさか付き合った初日に彼女に背中を流して貰えるなんて…


幸せな気分に浸りながら背中を洗ってもらっていると、ふと背中に柔らかい感触が伝わってきた。


まさかと思い、デリカシーが無いとはわかっていながらも、俺は陽葵に質問をしていた。


「なあ、俺の背中にお前の胸…当たってないか?」


若干引かれることを覚悟し、陽葵からの返事を待つ。


「確かに、当たってるね」


しかし、意外にも陽葵からの返事は淡白なものだった。


あれ?もしかしてそういうの気にしないタイプなのか?そう思っていた時だった。


「もし、わざと当ててたとしたらどうする?」


俺の耳元に、陽葵はそう呟いた。


……え?


驚きの返答に俺は動揺を隠せない。


「どう?柔らかかった?♡」


その言葉を聞いた瞬間、俺の頭はショートした。


幼馴染と一緒にお風呂に入るのは、少し早かったかもしれない。

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