第2話 幼馴染から告白された後の話

一度フラれたはずの幼馴染である陽葵から今日の放課後、告白された。


そんな、彼女になった陽葵は俺の家で夜ご飯を食べていた。


「どう?味の方は大丈夫?」


「はい、すごく美味しいです!ありがとうございます」


「裕太〜、こんな可愛い子から好かれるなんて、お前幸せ者じゃないか〜」


「あ、ああ、まあな」


「もう私達のことをお義父さんお義母さんって呼んでもいいのよ?」


「いやいや!それはまだちょっと…」


と、陽葵は俺の家族と仲良く会話をしている。


何故このような状況になったのか。時は告白された直後まで遡る。


陽葵からの告白を受け入れた後、俺は陽葵と一緒に家に帰っていた。


「ねぇ、裕太ってお昼はいつも何食べてるの?」


「んー、購買のパンとか弁当とかかな」


「じゃあ、明日から私が裕太の分のお弁当作ってもいい?」


突然、告白直後の彼女からのお弁当を作ってくれるというイベントに、俺の幸福度が急上昇する。


「え!?でも二人分作るの大変じゃないか?」


「いや!むしろ作らせて!裕太に私のお弁当食べてほしいから…」


「お、おう、じゃあ明日から頼むわ」


俺が照れ隠ししながら返事をすると、陽葵は幸せそうに微笑んだ。めちゃくちゃ可愛い。


話をしている内に家の前に着く。


「じゃあ、また明日な」


「うん!じゃあね!」


陽葵を見送った後、家の玄関のドアを開ける。


家の中に入ってソファに座ると、妹の舞菜が話しかけてきた。


「お兄ちゃん良かったね!陽葵ちゃんと付き合えたでしょ?」


「ああ、付き合えたぞ、ありがとな」


昨夜、陽葵から相談を受けた舞菜は陽葵が今日、俺に告白することを知っていた。


正直、舞菜のおかげで陽葵と付き合う事が出来たと言っても過言ではない。舞菜には本当に感謝している。


舞菜に感謝の気持ちを伝え、部屋に戻ろうとした時、舞菜に呼び止められる。


「あ、お兄ちゃん待って」


「ん?何だ?」


「今から陽葵ちゃん来るから、今日家に泊まるよ」


……え?何を言っているんだ?家の妹は。


「え?でも陽葵は普通に家に帰ったけど…」


「いや〜、さっき私が陽葵ちゃんに今日私の家に泊まらない?って聞いたら、『いいよ〜』って来たからさ」


「ん?何で陽葵を家に泊まらせようとした?」


「え?だって付き合ってすぐでしょ?一緒の時間つくらないと〜それに、久しぶりに陽葵ちゃんに会いたいし」


「お前なぁ…余計な事を…」


「あ、お父さん達にはもう言っといたから安心して?」


本当に何を言っているんだ家の妹は!?


「嘘だろ…」


驚きを隠せず、呆然としていた時、家の玄関のドアの開く音がした。


行ってみると、そこには両親と荷物を持った陽葵がいた。


「話は舞菜ちゃんから聞いてると思うけど、よろしくね」


「お、おう、よろしくな」


「まさか裕太が陽葵ちゃんと付き合うことになるなんてね〜」


「本当だな、裕太、陽葵ちゃんを幸せにできるような男になれよ」


両親が俺と陽葵をからかうように話しかけてきた。正直ムカつく。


陽葵の方を見ると、陽葵は顔を赤らめていた。


顔を赤らめながら、陽葵は俺に言う。


「裕太…私のこと…幸せにしてね♡」


こうして、陽葵とのほんの少しの同居生活が始まった。

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