〜仮面を脱いだその先に〜

決意を決めて白命はもう一度、生中継でテレビを繋げた

そんな時白命は自分がつけた〝テロ〟になる為の仮面に触れる。その時

〝人々は、この仮面をつけている僕をテロだと認識している、だから力の影響を受けてしまう

これから世界を平和にするために戦ってくれる同志とも言えるものに、暗示まがいのこの力で命令して本当にいいのだろうか〟

そんな感情がフッと頭をよぎった


そんな感情とともにテレビがつながる

テレビが中継されると白命は初めにこう告げた

「皆にお願いしたいことがある

でもその前に聞いてほしい

私はこの仮面をつけることで君たちから正体を隠してきた


結果的に彼らリスト教団の一部に裏切られ、このような世界にしてしまった

私はもうこの様なことは繰り返したく無いのです


だから私はこの仮面を捨てる」

そう言うと白命は仮面を外した

それと同時に世界全てに白命の、テロの真の素顔が放送されたのだった


「私の本名は白命と言います

テロの神様をしていたものです

私は皆様の幸せの為に、この力を使おうとしていました

しかし私はその素顔を隠して、あなた方皆様と関わっていた

結局私は、私はあなたがたに素顔や本名すら開かせない、信用していなかったのです」

こうして白命は隠していた、素顔や本名、その全てを話したのだった


そして白命は続けた

「私がこのことを伝えたのは理由があります

私は今後、テロの神様としての活動をやめようと思います

その前に、今各地で暴動があるのは皆様知ってると思います

私はそれを止めたいのです

だからどうか力を貸してください」


そう言い終えると白命は深々と頭を下げるのだった

それを見ていた世界中の人々は、そのテロの神様と言われた正体、素顔、本名を明かされた驚きに、テロの神様の活動を止めるという発表で2つの衝撃を受けていた


またあのテロの神様をしていた白命が、世界を救う為に頭を下げた、それが一番世界中の人に驚きと衝撃を与えた出来事であった

それに戸惑いつつも世界中の人は、真実を打ち明けた白命に心を動かされた


「止めよう、テロ様が、いや白命様が自分の正体を晒してまで私たち民衆に頭を下げてお願いしてきたんだ

いま、いま立ち上がらずにいつ立ち上がるのだ

いつまで白命様のテロの神様にすがり続けるのか」

そういった声が辺り一面から、世界全土に至るまで広がった


そうして、心同じくした世界中の人達により、想像以上に早く暴動の沈静化が済んだのだった

その沈静化を確認し終えると

「ありがとうみんな、世界中を救ってくれて」

そう白命はもう一度、世界中の全ての人に深々と頭を下げるのだった


その時だった、全てのテレビ画面が変わり、リスト教団の生き残りと思われる一人が映し出された

そして彼は最後の悪あがきとして、この世界の終わりを告げる放送を始めた


「私はリスト教団に身を隠していた本物のテロである

そこにいるテロは偽物だ

私は彼に命を狙われて、そのためこうして隠れて見ているしかなかった


結果リスト教団のほとんどが自殺に追いやられ

私はこの絶望と同時に世界の暴動を見るしか出来なかった

私が早くこうしていれば止められたはずなのに、すまない皆の者

彼を、白命を止めることができずに、暴動するものたちを救えずに、、、」


それを見た白命はすぐに、彼のしようとしていることに気づき、テレビを 止めるように伝える

しかし止めるよりも早く彼は


「彼が私の名を語りこんな真似をしなければ

こんな事態にはならなかったはずなんだ…


なぜ苦しみながら暴動する人がいなくならないと思う

それは白命が本当の〝テロの神様〟である力を持たないからだ


なんでなんだろうな

こんな悲しみを生み出さないようにしていたのに、彼は、彼は…」


と答えながら涙を見せながら手に持っていた

白命が使っていた〝テロの神様〟の仮面と同じ仮面をつけた

そして彼は


「すまなかった、私が始めからこうしていれば

偽物による結果、暴動者たちが生まれる事はなかったのだ

本当にすまなかった


だから私は最後の言葉を告げる

みんなの幸せのために


〝全ての存在よ、その意思をなくし破壊だけを繰り返せ、悲しみを感じ苦しまないように〟」


そう告げ終えた

そして自らもその暗示を受け、テレビの向こうで自爆をした


その放送が流れ終える頃には、世界中は彼の放った暗示に完全にかかってしまっていた


結果的に世界は

生きる全ての人の暴動や自殺、殺し合い、破壊による行為が繰り返された


それから少しして、とうとう世界は完全に壊れ切ってしまったのだった


白命はその光景を見ながら、目の前が真っ暗になって、その場に倒れこむように座りこむのだった

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