〜止まらない余波〜
準備を終えた白命たちは早速、能力を消し去る作戦計画を実行し始めた
テレビの放送を始めると白命はテロの神様の仮面を被り
全世界にこう告げた
「我はテロ、今この世界に舞い戻った
君たち国民に聞いてほしい事がある」
そして力を最大限発言するように強い言葉で告げる
「今力に飲まれし全てのものよ、今一度我がテロの神様であるこの声に耳を傾けよ」
その一言は全世界に響き渡った
同時に世界で暴動を起こしていたものも含め全員がその行動を止めて、その場に立ち尽くした
白命はそれを待ち再び口を開き話し始めた
「私はリスト教団の一部に騙されて力を失った
そして彼らは私に成り代わるだけでは飽き足らず、世界をこのように壊した
皆も見るのだ今の世界の姿をこの非道で悲惨な世界を君たちは望んだか
いや望んでないはずだ
リスト教団幹部の一部の奴らは、そんな望んでない世界を君たちに与えたのだ
だからまず、私はそんな意思に支配された君たちを〝テロの神様〟の名の下解放する」
その言葉により世界にいた全ての国民は、リスト教団から受けた命令が薄れ、理性を取り戻したのだった
目が覚めるように暗示が解けたものは、世界の崩壊や非道さを見て心揺り動かせれた
結果白命は世界人口約8割をこうして味方につけることに成功するのだった
こうして出来た基盤を元に白命は続けた
「皆の者、見て感じてくれただろう
リスト教団の一部のこの人として、とても残酷な行為を…
私は今もその運命に惑わされる者たちを救いたい
だから一度全ての人から、私の与えた全ての、テロの神様の力を消し去りたい」
しかしそれは思わぬ邪魔で放送が乱れて伝わらなかった
生中継の映像では
「だから…す…か…、わた…えた…かみ…ち…をけし…たい」
と途切れまくった映像として放送されていた
「一体どうゆう事だ」
そう叫ぶ白命に1人の男が言い放つ
「どうやらハッキングされているようです
今はこちらも応戦してどうにかしていますが、このままでは、、、」
それを聞いた白命は
「なんとかなる
私を信じてくれ、私の言葉はその通りになるのだから」
と言い放つ
次の瞬間ハッキングを完全にシャットアウトさせる事ができた
白命はその一瞬を見逃さずに答える
「全ての人よ、私の放送を邪魔するのを見ただろう
リスト教団幹部は、完全に私を排除しようとしている
私を罠にはめたのは明白である
だからテロの
こんな、こんな悲しい連鎖を、連鎖を断ち切るために、世界の全ての人が持つ力を無効化する」
その言葉が力を持ち同時にあらゆる所で力は、消滅を辿った
それに呼応する形で、今の世界を見た人々が
〝能力が消滅する事を望んだ〟
結果白命の力に寄り添う形で信じる力を手にした白命の言葉は、あの頃のテロの神様の地位と同じだけの力を持ち
世界の全てに広がった力は無効化されていったのだった
「これでやっと、やっと世界から力が消えた、解放、されたんだよな」
そう呟くリスト教団や組織のみんなを横目に白命は立ち上がると、生中継されたテレビ画面に向かい叫ぶ
「この世界を壊そうとしたリスト教団幹部の計画は今ここに終わりを告げたぞ」
その言葉に世界中では歓喜の声が響き渡った
この事をきっかけとしてどうにか世界の崩壊は止められたのかもしれない
しかしその考えはすぐに消えることになった
放送を終え一息ついた白命の目の前で、テレビの画面が変わりリスト教団幹部が映る
「やってくれたなテロ」
と怖いくらいの口調で話し始める
「あんたのお陰で僕らの力まで無くなってしまったよ。でもこれで終わったと思うなよ
まだ暴動は終わらない」
そう告げ終えると自ら自分の首を切り死んでいった
首を切る、その映像を見てすごい吐き気を催す
しかしそれをどうにか飲み込んで彼らの、あの映像に感じた違和感を調べるようと思い外に駆け出る
白命はそこで目を、自分を疑う光景を目にする
そこには崩壊し尽くされた世界で、リスト教団の話を信じた者たちが未だに破壊の限りを尽くして、止まることなく世界を崩壊の道へと進めていたのだ
「なんでだ、力は無くしたはずなのに、なんでまだ終わってないんだよ」
そう叫びながら強く壁を叩く白命の横から
「どうやら欲望と力に溺れ戻れなくなった人達が、まだ暴れまわっているようだね」
と組織の1人が呟いた
「そんな、暴動が止まらないなら、だったら俺のしたことは無意味だったのか」
白命は感情的にそう叫んだ
その横で組織の1人は
「無意味なことではないさ
君のお陰で力は消えたんだから、だからあとは彼らの暴動を止めるだけだよ
君になら出来るはずだよ」
と白命を後ろから抱きしめる
白命はその暖かい感じを何処かで感じた覚えがあった
すぐに振り返るとそこには、いつも夢に出てきたあの少年〝テロ〟がいた
「なんで、ここにいるんだ」
そう分からないと言ったように白命は問いかけた
「なんでって、ずっといたよ
この組織を立ち上げたのは僕なんだから、僕がいるのは当たり前だろ」
と言いながら白命に笑いかけると
「それに僕は君と何度も合ってるよ」
と言いながら姿を変えていく
初めは僕を仲間に引き入れてくれたおじいさん
その次はアドバイスをくれた子ども
その姿に出てきた者達全て、この組織に入ってから、組織の大事な場面で力を貸してくれた
あのひとたちだった
「まさか、ずっと僕らを支えていたのか」
そう問いかける白命にテロは笑いかける
「当たり前さ」
そう呟くと続けてこういう
「僕のことはいい、今すべきなのは
暴動している人達を止めることだけだよ
力を失った彼らなら、一般人の人でも止められるはずだよ」
それを聞いて白命は目をつぶると、これまでに死んでいった者たちを思い浮かべながら決意を決める
「そうだね、今すべきことは、暴動している人を止めることだ」
そう言い聞かせるように強く答えた
その心には
根本を解決しただけでは止まらなかったけど、今度こそその余波も含めて止めてみせる
崩壊する世界も、それを行う暴動した人々も…
そんな強い意志があった
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