第3節、あの子の気づき
あの子は「また来るよ」と言った通り数日後また神社に来ていた。「また来たよ。約束通り」
そういうと社に座った。
そして「あなたの言ったおまじない実際に使ってみたよ」というと少し嬉しそうにして「まー結局、挨拶しか出来てないんだけど」とうつむきながら笑顔を見せた。
「そうなんだ。会話は出来なかったけど、発展はあったしよかったじゃん」
とあの声は少し喜んだような口調で言った。
あの子はその声に「そうだね」と返した。
その時後ろの方から「また1人で話してんのか」と声がした。
振り向くとそこには、いじめっ子のリーダーが寝そべっていた。あの子はびっくりしたが
「それよりまた1人で話してる?それどういう事」と聞いてみた。
するといじめっ子のリーダーは
「ん?お前なんだあいつじゃねーのか」と言うと「この前ここでお前みたいに、独り言いってる奴いたから、てっきりそいつじゃねーのかって思ってな」と言った。
あの子はそれを聞いて少し頭を整理した。
そして、あの声が自分以外には聞こえてないことに気づいた。
するといきなりいじめっ子のリーダーは
「 そろそろ時間だし俺帰るわ」と言って神社を出て行った。
あの子はそれを見届けると「ねぇ声、あなたってもしかして心の声みたいなものなの」と問いかけた。あの声は無言のまま何も話さなかった。あの子は「あまり自分のことは話さないよね。まー私は気にしないけど」と呟くと神社を出ていくのだった。
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