第1章、昔

第1節、君とあの子

あの子とは地元の幼馴染でとても仲が良かった。

何をするにもいつも2人で、たまに近所で悪戯をしては、周りの大人を困らせた。


小さい頃はよく近くにある小さな神社で遊んでいた。

この神社は地元の人からなぜか「絆神社」と呼ばれている。

なんでもそこで結ばれた2人は切れない絆で強く結ばれ、幸せになるからだそうだ

その他にも結ばれた絆を断ち切る人は、呪われるなど噂も多い。

とてもそんな雰囲気には見えないが


神社は小さいと言っても、子どもが走り回れるぐらいの大きさはあるから、遊び場としてはとてもいい場所だった。

近所の人も滅多に近づかないから、悪戯の作戦なんかも考えるには最適といってよかった。


その神社は高校の古びた通学路の片隅にある。そのため通学時間は自分たちより大きいお兄ちゃんやお姉ちゃんが横切る。

けどこの神社にはそんなに興味がないのか、いつもスルーしていく。

だからここは君とあの子にとっては、秘密基地みたいなものだった。


そんな2人が中学に上がると、誰もが経験するあの男女区別の雰囲気があった。

そんな雰囲気の中でお互いに距離ができて、中学時代は一切話しをしなくなった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る