君とあの子と絆神社

紳羅

序章

東京の大学に進学した夏休み、君は久しぶりの里帰りをした。

「昔は色々あったこの風景も懐かしいなぁ。少しも変わってないや。」

そう呟きながら昔よく通った通学路を歩く。

そんな片隅にある小さな神社で足を止めた。

「そういえば昔はよくここに来たな。久々にお参りして行くか。」

階段を上ると君はそこで足を止めた。

そこには風になびく長い黒髪に、白いワンピース姿の女性が立っていた。

姿はもう大人びていて分かりずらかったが、君にはすぐあの子だと分かった。

「久しぶりだね」

と最初に笑顔で声をかけて来たのはあの子だった。

君はその言葉を聞いてやっと

「うん。久しぶり」

と返事を返した。

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