第14話
side 春宮紫苑
僕は今、ジョン、ティアナ、アルカ団長、そして祐介と秋崎とともに迷宮の中にいる
馬鹿リーダーを探す羽目になった僕らが何故迷宮の中にいるのかって?
それは少し前に遡る
馬鹿リーダーが意味不明なことを言ってどこかに行ってしまった
正直、このまま見捨ててさっさと戻りたいが、見捨てるのはまずい、ということで僕、アルカ団長とジョン、ティアナそして祐介と秋崎で連れ戻すことになった
「ねえ、団長」
「A?どうsiた?」
「なんでこのメンツなんですか?」
「あ?ホkaに誰■いた■かよ」
いるだろう
というかジョンとティアナは分かるが、僕、祐介、秋崎は完全にいらないだろう
「まa、確kaに特に説明■てイなかったからな。そレは■紫苑、夏目はそkoらの騎士よリも圧倒的に強いし、秋崎■高度の回復魔術を扱うソウじゃナいか。確■にコいツらを連れて行kuとまたニげ出してしま■■もしれnaいが…、まぁその時は俺がkiチンと連れte帰るから安心■ろ。そし■、お前だが、自分デは分かっテないkamoしれないが、結■観察力だったり危険察知能力が高イからな。こういウとき役に立つto思った■だ」
なるほど……
何も考えずに近くにいた奴を選んだわけではなかったんだな
「お前saス石■馬鹿にしすgiだろ」
おや、バレたようだ
そうして僕達はゴブリンを倒しながらそのまま馬鹿リーダーを探し、追いかけて行った。一応、何度か見つけたがこちらに気づいた瞬間にすぐにまた突っ込んでしまうし、流石はチート持ちといったところか、身体能力がとても高く誰も追いつけない
そんなことを繰り返していると最初予定していた野営地の近くにある森まで来てしまった
流石に夜に森の中に入るのは躊躇っていたら、
「グギギャギ!」
「グガギャギ」
「グギャギャ!」
もう見飽きてきたゴブリンが現れた
近くにいた祐介が適当に切り払うがゴブリン達は躱してしまった
どうやら強力な個体らしい
おまけにまともな武装をしていた
しかも、後ろの方から続々とやってくる
しかし―
「ジャ魔だ!!」
鬼気迫る表情をした団長にすぐに殲滅されていた
ここまでくるとむしろ哀れである
しかし、強力な個体がいるといるということは――
「どうyaら、近く■奴らの巣ガあるよウダな」
「どうしま■?流石にsoろそro危険ですよ」
「そウだ■、流石に危険da。よし!切リ■げるゾ!!」
そして、森から離れようとしたところだ
「ぐおおおぉお!!」
「がぁあぁ!」
「グギャギャグ!」
「グガギギャギ!!」
叫び声が聞こえたので振り向くと、もう見飽きたゴブリンと赤褐色の肌と角を持った巨人、オーガがいた
オーガ、ゴブリンよりも圧倒的に上位に位置するその魔物はゴブリンと連携するような動きで襲いかかってきた
その動きはゴブリンと比べものにならないほど早く、力強い
「があああぁ!」
「くっ!うわあぁぁ!」
祐介が襲いかかってきたオーガの攻撃を剣で防ぐが流石に防ぎきれず吹き飛ばされる
「祐介!!“〈ハイヒール〉!”」
秋崎がすぐに回復魔術で祐介を癒やす。効果はすぐに現れて祐介は立ち上り、オーガに対し、剣を構える
魔物の数は多く、団長達は別の魔物と戦っている
…足手まといかもしれないが
「秋崎、支援魔術は使えるか?」
「使えるけど…?春宮君もしかして戦う気?!やめとなさい、足手まといよ!!」
確かにゴブリン2、3匹相手取るのが限界な僕はオーガなど相手取れないだろう
でも祐介の周りにいるゴブリンくらいはなんとかできる
秋崎はそんな僕の様子を見て諦めたように溜息をついた
「はぁ…、分かったわよ“〈パワード〉!〈プロテクション〉!〈アクセラレート〉!”」
「ありがとう」
「勘違いしないで。あなたが死ぬと祐介が悲しむからよ」
とことんぶれないなこの娘
祐介はオーガの攻撃に対し、ひたすら防御に徹している
攻撃が激しすぎて攻めあぐねているのだろう。そして周りにいるゴブリンが祐介を攻撃できないように牽制しているというのもある
秋崎が回復とバフをかけている間は大丈夫だろうがそれがなくなれば一気にやられるだろう
ゴブリンは5匹、だが僕に気づいていない
全力で足に力を込めて駆ける
その足音を聞き、ゴブリン達が僕に気づく
僕は来ないだろうとでも思っていたのか驚いたような顔をしている
というか祐介も同じ顔をしている
どうやら敵にも味方にも相当舐められているらしい
その怒りを槍に込めて全力で突く
ゴブリンは鉄でできた胸当てをしていたので腹を貫く
臓物を穿つ感触は未だに慣れない
周りにいたゴブリンは直ぐにこちらに向かってくる
ゴブリンが放った矢を盾で防ぎ、右からも剣を振り下ろしてくるゴブリンがいるので槍で薙ぐ
遠心力はそこまでつかなかったが、支援魔術のおかげか、吹き飛び、そのまま立ち上がらなかった
残りの個体はこちらを観察するような目で見ている
……戦場の騒音も減ってきた
こちらも終わらせるとしよう
残りの3匹のうち二匹は弓を、残りは短剣を持ち、まるで暗殺者のような風貌だった
短剣持ちが凄まじい速度で接近してくる
槍を振るうも易々と躱される
後衛の二匹がすぐさま矢を放つ
盾で防ぐも背中に激痛が走る
「ぐうぅぅ」
どうやら短剣持ちに刺されたらしい
鋭い痛みが全身を巡る
僕の動きが止まったところを弓持ちがすぐさま矢を放つ
トドメをさす気だろう
「こなくそぅ!」
「ガ?!ギャヤァァ!!」
矢を防ぐために背中にいたゴブリンを掴み、投げつける
予想外だったらしく、間抜けな声を上げて仲間の放った矢に当たる
しかし、絶命には至らない
むしろこちらを憎らしげに見つめ、元気なくらいである
「紫苑!大丈夫か?!」
「祐介?もうオーガを倒したのか?」
予想以上のスピードだ
もう少しかかると思ったのだが
「って短剣刺さってるじゃないか!!こころ!!早く!!」
「わかったわ!任せてちょうだい!って危なかったわね、もう少し高い場所に刺さるか、深かったら死んでたわよ」
マジかよ
ふと周りを見渡すと、どうやら、他の奴らも終わったらしくこちらに向かってくる
ゴブリン達は不利と悟ったのか、直ぐに逃げていった
「ゴブリンが逃■たな。そreもおそraく不利と悟っ■」
「えエ、こ■らを観察してカら逃げたnoで多分soうダと思いまス」
どうやら、団長達も取り逃がしてしまったらしい
「何ダと…。だと■たら……。でも………?」
団長は珍しく声を出しながら悩み事をしていた
「あ、そういえばアルカさん。僕が倒したオーガ、上位種でした」
さらっと爆弾発言したなコイツ
ーーーーーーーーーーーーーーー短編を投稿しましたのでよければそちらもご覧下さい
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