第20話 第一回桃花台プヨプヨeスポーツ大会(2)

 そして、月が変わり十一月に成り文化祭の当日になりました。文化祭は二日間の計画で第一回桃花台高校プヨプヨeスポーツ大会の個人戦が初日の午後に、団体戦が翌日の午後に計画されています。

 文化祭初日は校長先生の挨拶、実行委員長の挨拶など予定された計画が時間通りに進んでいきました。そして午前中の行事が終わり昼食の時間になりました。

 プヨプヨeスポーツ大会実行委員は、其々がお昼休みの時間に会場設営します。選手は生徒の方に向きます。その前に会議用の長机が四台置かれています。

 そして、新しい試みとして応援団による冒頭にエールをして貰います。その為の大きな太鼓がステージ前に準備されました。

 もう一つの新しい試みは、パソコンクラブに2DPMという新しい立体映像を映して貰います。その為にステージの両サイドに白い布が天上に掛けてあります。それを垂らしました。それが簡易スクリーンになります。

 ステージの下には、試合用の机の後ろに選手の控えスペースです。個人戦は全部で百四十五名の参加者です。全員をそのスペースに先に集めます。誘導係が対戦順にそれぞれの机の後ろに並べていくのです。

 その後ろにパソコンクラブスペースを用意しました。そこにプヨプヨの画面を2DPMによりプロジェクターで投影する準備が出来ています。その隣に選手を写真部の人がビデオカメラで写します。ビデオカメラは二台です。それをもう一台のプロジェクターを使い投影します。

 映像の基本パターンは壇上のスクリーンを左右半分ずつに分けて投影するのです。そして模造紙に書かれた個人戦の対戦表がホワイトボードに張られました。

 そこには集計係として美咲と日菜子が控えていました。二人は各ブロック(机単位)の実行委員が点数表に記入して集計係に持ち込むのです。

「プヨプヨ・・」

「プヨプヨ・・」

 それから音響テストも始まりました。プヨプヨ音楽を録画したデータを少し強弱付けて流し始めました。それにより会場の雰囲気が出てきました。

 すでにプヨプヨeスポーツ大会実行委員の皆は持ち場に着いています。二日間の進行係は高橋と天舞莉の二人が勧めます。

 天舞莉は全校生徒の前に出るのは初めてです。でも彼女はマイクを持ちますが高橋の隣にいるだけの飾りです。これは健太の大会への策略があります。

 天舞莉は本宮山の大縣神社の神職です。彼女はこのような大勢の中で表舞台に出るのが初めてです。彼女は全校生徒や先生にスムーズに大会が進むように念力を掛けています。

 これだけの前で自分の霊能師としての裁量がどれくらい効くのかを自分でテストして確認するのです。これも修行の一つとして経験するためです。

 そのことを知っているのは美咲だけです。美咲は健太に話しましたが健太は信用しませんでした。でも彼には関係ないからと美咲はそれ以上言いませんでした。

 健太は後ろで全体を確認して、それぞれの動きを見て応援が必要かどうかを判断して、それぞれに指示を出すのです。

 映像と音楽が流れる体育館の会場に生徒が集まり始めました。午後一時に大会が始まります。大会の挨拶はeスポーツクラブ準備委員会から桃山健太がします。

 そして、明日の閉会の辞は高橋がする予定です。すでに話す内容は渥美先生から文章が高橋の手元に届いています。彼は何度も読み上げ方の練習をしていました。

 そこへ少し早めに渥美先生が来ました。そこで六名の設立の準備委員が集まりました。それにプヨプヨeスポーツ大会の実行委員も招集を掛けました。

 そこで渥美先生が少し話しをしました。それで全員がサークルを作り肩を組み大会を成功する為のエールの交換をしました。

「プヨプヨeスポーツ大会を成功させるぞ」高橋が最初に声を出しました

「プヨプヨeスポーツ大会を成功させるぞ」次に全員で唱和しました。

「いくぞー」誰かが声を出しました。

「おー」

 最初の掛け声は高橋が発生し皆が続きました。会場に集まってきた人がその光景を見て驚きと歓声を上げました。

 その光景を佐合校長先生は体育館の入り口からそれを見ていました。初日の文化祭の盛り上がりの催しモノがもう直ぐ始まります。

 その責任者の渥美先生は実行委員の彼らをまとめてくれているのを見て安心しました。校長先生も教頭と同じでスマホのゲームはしません。

 でも校内を毎日歩いて生徒たちを見ています。見て歩くのは校長の仕事と決めています。そこで多くの生徒が集まってスマホのプヨプヨをしている姿をもう一か月前から見てきました。携帯は普段は禁止ですが、文化祭のこの時だけは黙認しています。

 その様子から文化祭の盛り上がりが分かりました。彼らは受験戦争という渦の中で自分から青春をぶっける物がありませんでした。

 そこにeスポーツクラブ準備委員会がプヨプヨeスポーツ大会を文化祭でやると知り喜びました。

 プヨプヨはスマホを持っている人なら一度は経験するゲームです。校長はこの文化祭にプヨプヨゲームを企画したeスポーツクラブ準備委員会のメンバーに脱帽したい気持ちです。

 当然この文化祭での成功か失敗かで、その後のクラブの設立の可否が決まることは、彼らは承知していると思います。

 そして、今日の個人戦の選手が控えスペースに集められました。応援団の太鼓がドンドンと鳴りだしました。

 パソコンクラブのメンバーがステージのスクリーンに応援団長を映し出しました。応援団長の小林が出てきました。これからプヨプヨeスポーツ大会の前座が始まりました。

 それから桃山の挨拶があり高橋と天舞莉に交代して試合が始まりました。

「わぁー」対戦表に日菜子の書いた名前を見て歓声が上がりました。

 それで次の対戦が始まりました。それから試合は順調に進みました。そこには机に置かれたスマホの連鎖が続いているのをビデオカメラが投影しています。

「わぁー」スクリーンを見て歓声が上がりました。

 プヨプヨの連鎖が止まりません。この状況はスクリーンに投影され多くの生徒も初めて見るのではないでしょうか。すごい高得点になってきました。その生徒の顔がアップで写しだされました。

「やったぜ」彼は喜び勇んでいました。

 健太は後ろからその進行状況を見ていました。それからまた試合が続きました。そして、個人戦のファイナルの時間になりました。

 各班から勝ち抜いてきた四名による決勝戦です。その四人を高橋がクラスと名前を呼んで紹介しました。そして、天舞莉は独りずつ感想を聞きにマイクを向けました。その中には連鎖で沸かした一年生の栗田昇一もいました。先生チームからは誰もファイナルまで来ていません。

 ここで応援団長が四人にエールを送りました。

「ドンドンドン」

「ファイナルの四名の検討を祈ってガンバレコール

ガンバレ、ガンバレ、ガンバレ、ガンバれ」

「ドドドドドド・・・・ドン」

 続いて四人によるファイナルが始まりました。そして時間になりました。四人の中でまた栗田が連鎖を始めています。

 その様子がスクリーンに映し出されています。

「栗田、がんばれ、プヨプヨ・・」 

「プヨプヨ連鎖を続けろ」生徒達から歓声が流れます。

 そして、結果初代チャンピオンは栗田昇一君に決まりました。高橋は四人の成績を読み上げました。そして初日の個人戦は終了しました。

 それから後片付けをします。次の催事が待っているのです。美咲の歴史研究会の発表が午後のどこかで計画されています。その為に美咲は自分のサークルに戻りました。

 健太は片づけの状況を見ながら渥美先生の処に行きました。

「渥美先生初日が終わりましたが、何か感じましたか」

「桃山君、今日の処は良かったのではないですか。応援団を前座等に使い、パソコンクラブの映像があって私の想像を超えていました。先生は嬉しくなりました。

 桃山君の最初の挨拶にあったゲームの力を楽しんで下さいといった意味がよく分

かりました。桃山君ありがとう」

「先生からそう言われると嬉しいです」

「生徒の盛り上がり方がすごかったですね。私的には健太君の企画の勝利です」

「そうですか、ありがとうございます。今日は反省会をやりますが、渥美先生から何か伝えることはありますか」

「特にありません。明日もお願いしますね」

「分かりました」

 その日文化祭が終了後に応援の実行委員を含めて初日の反省会を視聴覚室で行いました。健太は天舞莉から見た今日の内容について意見を聞きました。

「私はほとんどの生徒がプヨプヨeスポ大会に喜んで参加していると見ました。

選手から漏れた人も自分がやったことのあるゲームです。

 だから一体感があったと思います。それで分かりやすくスクリーンにプヨプヨと選手の映像が映し出されて親近感を持って楽しんでいたように思います」

「僕は、みなの笑顔を見た限り初日の個人戦は成功だった思います。

 それで今日の中でトラブルはありましたか」

「ありませんでした。皆さん協力的に動いてくれました。」

「僕も一言言わせて下さい。

 僕は九月一杯不登校で引きこもりになっていました。それが学校に戻って一ヶ月ちょっとでこんな大きなイベントに参加出来て嬉しいです。その話を日菜子としていました。日菜子も何か言ったらどうですか」

「私も陽斗君と同じ不登校から出てきて一ヶ月ちょっとです。そんな私をこんな大事な場面で働かせて頂き嬉しいです。明日の一生懸命頑張ります」

「貴志君も同じですね。一人は皆の為に、皆は一人の為にです。フランス革命の時の三銃士の言葉です。そして全校生徒がプヨプヨeスポーツ大会でこんなに楽しんでいます。

 今日参加した皆さんの顔を見ていてこの企画をやって良かったと思いました。今言った三人は九月末ごろまで引きこもり状態でした。

 僕は彼等にeスポーツクラブを作り学校でゲームをしようと誘いました。クラブを作る為にはプヨプヨeスポーツ大会を成功させなければなりません。今日その半分が成功の内に終わりました。

 明日は、プヨプヨが不登校生を救うことになる記念すべき日になります。その思いを秘めて明日も頑張りましょう」健太が気持ちを込めて言いました。

 それからしばらくして散会におなりました。今日の反省会で問題はなく明日につなげる意見は出ませんでした。

 そして、翌日になりました。健太は会場の中で渥美先生に会いました。そこで先生から職員室の感想を教えてもらいました。

「まず個人戦に出た五名の先生方の意見です。最初に松岡先生は練習した連鎖が出なくって申し訳ないと笑っていました。

 東田先生はなぜか悔しがっていました。唯一二回戦に進んだ大泉先生も生徒に負けたことをぼやいていました。でもその顔は笑っていました。

 それらを総評しますと良かったと思います。今日も団体戦がありますからお願いしますね。それと高橋君を呼んで下さい」健太は二年生の高橋さんを探して先生が呼んでいることを伝えました。

「高橋君最後の挨拶は大丈夫ですか」

「はい、間違えるといけないので紙を見て読みます。全校生徒のゲームモードから受験モードに切り替えるように大きな声で言います」

「お願いしますね」

 そして、今日の午前中は演劇や歌などにぎやかな催事が始まりました。午前中も無事に進んで昼食時間になりました。

 昨日同様に実行委員は早く食事を終えて会場に戻ってきました。そこで机を並べる人、パソコンの準備をする人、壇上の煙幕をスクリーンに換える人、音響のテストを始める人等街場の準備が始まっていきました。

 それから午後の部の開始になりました。応援団が太鼓をたたき始めました。それを機にパソコンクラブがスクリーンに映像を映し出しました。

「どんどん・・・」

「プヨプヨ・・・」 

 それと同時に今日もスクリーンに各クラスの予選会の映像が映し出されました。

「ワアー」歓声の上がったクラスが映し出されているのです

「恥ずかしい」女性徒の声が聞こえます

 それから今日も高橋と天舞莉の二人が最初の挨拶をします。そこに天舞莉が無心になって念力を込めて全員に笑顔で振り向きました。

 それを合図に実行委員が最初の対戦チームを机の前に並ばせました。団体戦はトーナメント方式です。五名の合計得点の上位が勝ちになります。左右に五名ずつ別れてスタートの合図で試合が始まりました。

 スクリーンにはプヨプヨが跳ねて消えていきます。その隣のスクリーンに選手の表情がアップで映し出されています。

 そこにプヨプヨの音楽がリズミカルに流れています。

「ガンバレ」

「連鎖でブッチギレ」等声援が飛んできました。

 そして二分が経ちストップが掛り、スマホが机の上に並べられました。そこでカメラが連鎖を敷いているスマホを追っています。

 それから全てのプヨプヨが止まったのを確認して実行委員が、それぞれの点数を記入していきます。それを美咲の処に持ち込みエクセルに入力します。そこには計算式が入っていますので瞬時に合計点が出ます。

 その点数を日菜子が、ホワイトボードのトーナメント表に点数を記入していきます。それを見て勝敗が分かり歓声が上がりました。

 その要領で試合が進んでいきました。

 そして、先生チームが出てきました。五名の先生の努力も虚しく結果は初戦敗退でした。それからも試合は進み、二回戦、三回戦と進み最後のフィナーレの決勝戦になりました。

 そこで今日も天舞莉がマイクを持って両チームの紹介と選手の意気込みを聞いて回りました。

 それから応援団の小林の頑張ろうコールが出て太鼓の音が鳴り響きました。

しばらくして静かになりました。いよいよ決勝戦が始まりました。

 ファイナルは双方白熱したプヨプヨ対戦です。それから二分してしてストップの声が、掛りスマホが机の上に置かれました。

「プヨプヨ・・・」一人の女子生徒のスマホが連鎖を続けています。それがスクリーンに映し出されています。スマホの持ち主がやったーと叫ぶ声を出しました。

「橋詰いいぞー」同じクラスの仲間から声援が飛びました。

「連鎖よ、続け」

 それからしばらくしてプヨプヨが止まりました。早速係が集計作業に入りました。それで日菜子が点数を書き入れました。

「やったー万歳」

「優勝だ―万歳」優勝したクラスが、全員が立って前後のウエーブを始めました。

それを見て他のクラスの人があっけに取られていました。

 これで試合は全て終了しました。そこで表彰式の準備に掛りました。

 それから個人戦の四人と団体戦の二チームが壇上に上がりました。

 そこでeスポーツクラブ準備委員会の高橋から優勝者にトロフィーと賞状が渡されました。それで選手を自分の席に戻したのを確認して、少し間をおき大会の閉会のあいさつを高橋が始めました。

「今日ここに第一回桃花台プヨプヨeスポーツ大会が無事に終了しました。関係者の皆さんを紹介します。応援団の皆さん、パソコン部の皆さん、写真部の皆さん、そして実行委員で手伝って頂いた皆さんです。皆さんに感謝申し上げます。ありがとうございました。皆さん大きな拍手をお願いします」

「パチパチ・・・」大きな拍手がわきあがりました。

「さて、皆さんに伝えたいことがあります。この一ヶ月の間学校中がプヨプヨeスポーツ大会のためにゲームモードで来ました。今は十一月になっています。来月には受験戦争突入します。そこでこの場をもちましてゲームモードから受験モードに切り替えたいと思います。

 これからは受験勉強に頑張りましょう。

 いいですかこれからは受験モードで行きましょう」

「そうだいいことを言うね」

「では下書きにはないですが、気分を変える為に三年生の皆さんの受験に向けて“ガンバロウ三唱”をしましょう。全員ご起立をして下さい。」健太はざわめきを感じたので間を起きました。

「それでは皆さん一緒にご唱和して下さい」

「受験勉強、頑張るぞー」高橋が叫びました

「受験勉強、頑張るぞー」三年生が応えました、

「受験勉強、頑張るぞー」高橋が叫びました

「受験勉強、頑張るぞー」全員が唱和しました。

「受験勉強、頑張るぞー」高橋が叫びました

「受験勉強、頑張るぞー」今回も全員が唱和しました。

多くの生徒が唱和してきました。

「ありがとうございました。これで終了とします」

「ありがとう」

「ありがとう」

「パチパチ・・・」生徒から大きな拍手がわきました。

「ありがとう」三年生から感謝の気持ちが上がりました。そして、しばらく拍手が続きました。ステージの上にいる者たちが次々に高橋とハグを始めました。

「高橋君ありがとう」

「ありがとうございます」

 それから壇上から降りてきた高橋を先に降りた天舞莉が握手で迎えました。

「高橋さん良かったです」 美咲は言いながら高橋にハグしました。

「高橋さんやりましたね、最高でした」健太も高橋にハグをしました。

「良かったです」日菜子も前にならってハグをしました。

 そして、太田も駆けつけました。陽斗も貴志もやってきました。皆が良かったよと声を掛けながら片付けに入りました。

 健太は美咲に駆け寄ってありがとうと言いながらハグしました。美咲がいなかったらこの企画は成功していませんでした。それを一番に伝えたかったのです。

 美咲は健太がハグしてきて流した汗が無駄ではなかったと思いました。彼はちゃんと私を見ていてくれていると嬉しくなりました。

 高橋は頭の中が真っ白になっていました。ガンバロウ三唱などやることは少しも考えていませんでした。

 それがモード切り替えの話をしていたら急に頭の中でガンバロウ三唱をしようと考えが変わってきたのです。後は勢いでしました。

 このことは天舞莉の念力で彼に唱和をさせたのでした。そのことは内緒です。

でもその唱和が三年生に好評でした。彼らがゲームモードのままではと一番心配していたのです。彼らはこのままではいけないという危機感を持っていました。

 その気持ちを高橋は汲みとったのです。これで校内のムードはゲームモードが消えることを期待しました。

 そして、高橋の閉会の辞を好感したのは松平校長先生も同じでした。校長は渥美先生にお願いしました。そこで多分紙を読んでいた最初の部分は渥美先生の言葉だと思いました。

 しかし、途中から高橋の言葉に代わっていきました。特に最後のガンバロウ三唱は効果があったと思いました。

 その考えは渥美先生も同じことを思っていました。渥美先生はともかく無事に終わってほっとしました。

 でも渥美は今回の大会が成功か失敗か分かるのはまだ先です。それは校内のモードが切り替わるかどうかにかかつています。

 それにしても健太の考えの深いのに驚いています。もし今回成功した場合の功労者は桃山健太の企画力です。

 例えば、進行係に高橋と天舞莉をもってくるなど想像も出来ませんでした。渥美は天舞莉の美貌を使い笑顔で話しかけられると反対意見も賛成してしまいます。

 その不思議な魔力を持った女性を起用して進行をスムーズにさせることは健太の人を見る目があるからなのでしょうか。

 天舞莉の魔力に高橋が踊られていたのでしょうか。それが最後のガンバロウ三唱になっていったと渥美は思いました。

 渥美は健太の打算のない性格が気に入りました。すべては彼の企画力がなせた術だと思いました。

 そして健太の企画力と人を動かす術は天性のものだと思いました。周りの者が彼に着いて行くのは彼に打算が無いから気持ちいいのです。彼は損得の世界ではないのです。彼は困っている人を助けたいという一心で動いているのです。

 その日の反省会はごくろうさん会を何時、何処でやろうかというリラックスした話題で終始しました。

 それから健太は昨日の言葉を思い出しました。今回の大会が成功になればプヨプヨが不登校生を救う事になると思いました。それが分かるにはもう少し時間が掛ります。

 まだeスポーツクラブの設立までには行きませんが、これでそこに近づいたと思いました。健太はもう口を出す領域ではないと判断しましたので今日はバイトに出かけました。

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