第11話 不登校生の救済(3)

 健太は平日のバイトをしながら、eスポーツクラブの設立に向けた手伝いをすることに決めました。そしてeスポーツクについて勉強もしました。

 eスポーツクがテレビゲームと多くの人が思っています。それは娯楽目的でするのを従来のゲームと言いますが、競技目的でするのをeスポーツクと言います。

 そこで健太は、本校は進学校です。その進学校にeスポーツというテレビゲームクラブ(?)を作ることが可能でしょうか。クラブを作りたいと言えば先生から反対意見が必ず出ます。

 彼は多分その反対の意見が壁になって上手く進まないと思いました。でも進学校にも落ちこぼれがいます。大学に行かずに就職する者もいます。それに不登校生もいます。

 そこでどうするか知恵を出さねばいけないと思いました。それから健太はeスポーツに付いて更に勉強しました。

 健太の考えは、知らないことをやる為には、まずそれを知ることから始めなければいけません。学校で勉強するのと同じです。知らないから勉強して覚えていくのです。

 そこで彼は、eスポーツをまずテレビゲームではないという認識を持ってもらうために、普及させるのが重要と考えました。

 そこで十一月の文化祭を使う事を思い付きました。今年から国民体育大会にeスポーツが新たに加わりました。それがプヨプヨeスポーツです。

 健太の頭の中は、体育館のステージのスクリーンに、プヨプヨeスポーツの模様が、プロジェクターで映しだされています。そのスクリーンには、嬉しそうにプヨプヨが踊っています。赤色や青色に白色などカラフルなプヨプヨが踊っています。

 そして試合は基本的に国体ルールで行います。二分間を制限時間とし「プヨ」を消す事により獲得できるスコアの高さを競います。

「プヨプヨ・・・、プヨプヨ・・・」

「ピピー」

「ヨッシャー連鎖で続け!」健太は文化祭のプヨプヨeスポーツ大会がイメージ出来て既に動き始めました。

 そのプヨプヨはスマホを持っている人なら誰でも知っています。それを公式チャレンジモードで二分間の時間制限の中で得点の高い人が勝つのが国体で採用された方式です。

 健太は文化祭でそれと同じルールでクラス単位の団体戦と個人戦を考えていました。それぞれクラスから五名ずつを選んで全校大会をするのです。

それから文化祭で行う大会のキャッチコピーを考えました。

【君のプヨプヨは二分間で人生が語れますか】これをポスターに使えばより楽しさが増すと思いました。

 それでプヨプヨeスポーツ大会が文化祭で行い成功すれば、これほどよい宣伝効果はありません。そして参加者が僕らを後押ししてくれると思います。

 彼はそのイメージを膨らませていきました。その企画を高橋さんや渥美先生に相談して文化祭に成功すればeスポーツクラブ設立に繋がるのではないかと考えました。

 翌日健太はクラスルームの後に先生に相談したいことがあると言いました。それで渥美先生は放課後に時間を取ってくれました。

 そこで桃山は文化祭で、eスポーツクラブ準備委員会主催でプヨプヨeスポーツ大会をやりたいことを言いました。

 渥美先生はその話を聞いて桃山君の考えを理解してくれました。そして前向きに考えましょうと言ってくれました。

 それを受けて健太は高橋さんと太田さんにも打ち上げ賛成して貰いました。それで健太は、二年生の二人に文化祭の件を具体的にするために文化祭実行委員会に問い合わせをお願いしました。

 そこで文化祭の催しモノの内容が、分かる物を作成して期日までに出すのだそうです。それは健太が、プヨプヨ大会の企画書を作成し提出すればよいのだと思いました。

 そこで健太は家に帰り企画書を作成していきました。そこには美咲に依頼した茨城国体のプヨプヨeスポーツ大会の資料がありました。

 まず対戦時間は二分です。まず団体戦は各クラス選出の一チームで五名編成とする。それから個人戦はクラスで五名までとします。その為に大会までに五名をクラスで選出して貰います。

 会場は体育館としてスクリーンにプロジェクターでプヨプヨを投影します。この大枠で考えると一学年八クラスで三学年ですから最高二十四チームの対戦カードを作成します。 

 それから文化祭実行委員会のクラス代表による抽選会で決めます。野球の甲子園大会の抽選会のイメージです。

 また個人戦は参加者が最高百四十名になります。そこで抽選方法を皆で検討して作成する予定です。

 初代チャンピオンのクラスと個人を選ぶ大会をイメージしています。それを健太はレポート用紙に書いて行きました。そのレポート用紙を翌日美咲に見せました。それをパソコンで打ち直して貰います。なぜなら健太はまだパソコンを使えません。

 それから健太は大会を支える裏方さん、実行委員が何人必要かを思案しました。まず当日の進行係(二人)、採点係(三名)、パソコン操作係(一人)、誘導係(三人)これで最低でも九名必要になることが分かりました。

 今のeスポーツクラブの予定メンバー三名だけでは足りません。その応援も考えないといけません。そこで美咲や天舞莉と一郎にも応援を要請するつもりです。

 それから健太は各クラスから一名の実行委員を出すように提案するつもりです。そうすれば何とかなります。

 健太はその企画書が出来たら渥美先生を入れて皆で協議する予定です。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る