第2話 プロローグ
十一月三日。ここは愛知県小牧市にある桃花台高校の文化祭会場の体育館です。
「ドンドンドン、ドンドンドンドンドンドンドン」
「オゥース、応援団長の小林です。
今日はeスポーツクラブ準備委員会の応援に来ました。そして、第一回桃花台高校プヨプヨeスポーツ大会の成功を祈念して選手の皆さんにエールを送ります」
「オゥース」
「オゥース」
「ドンドンドン」
「ドンドンドン」
すると2DPM(2Dプロジェクション・マッピング)で正面スクリーンと両サイドの白い煙幕にプヨプヨが飛び出しました。
「プヨプヨ・・・」
「プヨプヨ・・・」
「ドンドンドン」
「ワアー」
「怖い、プヨプヨが動きながら攻めてくる」2DPM映像が映し出されました。
体育館の中に応援団の太鼓の音が鳴り響いています。そこにプヨプヨの音楽が重なっています。
そして、壇上のスクリーンに応援団長の姿から、プヨプヨスポーツの画面に切り替わりました。
館内は生徒の驚きの声とざわめきで興奮の渦が起きています。
「ドンドンドン、プヨプヨ・・・」全員が興奮してあっけにとられています。
「キャー」プヨプヨに驚いた女子生徒の叫び声が響きます。
ステージの両側の特設スクリーンにプヨプヨが跳ねまわっています。
「ワー」すると各クラスの選手を決める選考会の映像が両サイドに映し出されていきました。
「やだ~、恥ずかしい」女性徒の黄色い声がまた響きました。
「いいぞー、ガンバレー
あれ誰だ、カッコイイなあ」男子の声も乱舞しています。
そして、壇上のスクリーンが設立準備委員会の桃山健太を写しだしました。それと供に音楽が静かになっていきました。
これで大会が始まる時間が近づいてきました。会場のざわめきを抑えて桃山健太が壇上に上がりました。
壇上のスクリーンにキャッチコピーの“君のプヨプヨは二分間で人生が語れますか”が大きく写しだされています。
「ただ今から第一回桃花台高校プヨプヨeスポーツ大会を開催します。開催の前に少しだけ話をさせて下さい。
今日は特別企画として応援団とパソコンクラブに写真部とeスポーツクラブ準備委員会によるコラボレーションを入れて大会を盛り上げる趣向です。
ここにいる全校生徒の皆さんにゲームをする喜びと、ゲームを見て感動する喜びを、eスポーツクラブ準備委員会がお届します。
そして、この時間は皆さんとゲームの力を楽しみましょう。私たちeスポーツクラブ準備委員会主催の今大会は、クラブ設立の為に今年の茨城国民体育大会で正式種目になった、プヨプヨeスポーツを国体と同じ条件で開催します。
それでは、これから初代の桃花台高校チャンピオンを決めたいと思います。
一試合二分間の戦いです。二分経ったらスマホを机の上に置いて下さい。そこで直ぐに置かないと違反者として失格になります。
また机の上でプヨプヨが連鎖している場合は、終了するまで試合が有効です。だから勝敗のポイントは高得点の連鎖がどれだけ長くするかです。
この状況は写真部の協力でステージの画面に映し出しますからそれを見て下さい。そして試合は各ブロック上位二名が上位戦への出場権を得ることになります」
桃山の愛図で高橋と天舞莉を壇上に招きました。
「それでは二日間の試合の進行を担当する二年生の高橋さんと一年生の山神さんを紹介します。それではただ今から大会を開始します」健太はそれだけ言って二人と交代しました。
「それでは只今紹介にあつた高橋です」
「山神です。宜しくお願いします」それを機に実行委員が動き出して初戦のメンバーに声を掛けて準備に入りました。そして、大会は始まりました
「プヨプヨ・・」
「プヨプヨ・・」映像がスクリーンに投影されました。
そして選手の顔もスクリーンに投影されました。
「ガンバレ、ガンバレ」
「ドンドンドン」太鼓の音と応援団のガンバレコールが出ました
「ヨッシャー。連鎖差に入れ、いけ!」選手が掛け声を出しました。
「あ、ダメだ。連鎖が止まった」悲しげな声もきこえました。
「ううう・・・」しかめ面した先生チームの松岡先生は最初に出てきましたが、どうも調子が悪いようです。
「はいストップ、時間です。スマホを机の上に置いて下さい」高橋が言いました。
写真部のビデオカメラが机の上のスマホを写していきます。連鎖をしているスマホを探しますが、皆終わっていました。
そこで実行委員がそれぞれの点数をメモしていきます。そしてブロックの上位二名に連絡しました。それを美咲に渡します。そして、日菜子がホワイトボードに上位二名の名前を書いて行きました。
「わぁー」日菜子の書いた名前を見て歓声が上がりました。
そして、次の対戦が始まりました。それから試合は順調に進みました。そこの机に置かれたスマホの連鎖が続いているのをビデオカメラが投影しています。
「わぁー」スクリーンを見て歓声が上がりました。プヨプヨの連鎖が止まりません。この状況は多くの生徒も初めて見るのではないでしょうか。すごい高得点になってきました。その生徒の顔がアップで写しだされました。
「やったぜ」彼は喜び勇んでいました。
文化祭の会場は若者たちの熱気に包まれています。
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