嘘は嘘
かいようくん
第1話本心がわからない
嘘をついていた
いつも付きまとってくるそいつは鬱陶しくて仕方がない
「ねえ、課題教えて?」
「一緒に帰ろ!!」
「もし付き合うならさ……」
なんて話の話題は多岐にわたり意味もなく忌み嫌うクールキャラでもない僕は心惹かれていた。
鬱陶しくてやかましいその笑顔に惚れていた。
「ちゅう、してみよっか、別に好きじゃないけど」
下を向きながらそんなことを言う彼女はどんな表情か僕にはわからない
「し、したくねーよ!」
照れながら言った。
また別の日は
「私の事見すぎ~きも~」
「み、みてねえよ!!」
「みてないんだ……」
なんてやりとり
彼女は僕に気がないはずなのに思わせぶりな話題ばかりだ。
「ねえ、好き?」
そんな思わせぶりに頭にきた
「は、はあ!?き、嫌いだわ!」
照れと気の迷いでまた嘘をついて
「そっか、ごめん」
そう言って走っていく彼女の手を何故か引き止めた僕は
「い、痛いんだけど……」
「ごめん、嘘ついてた。好きだ!ちゅうもしたいしお前のことずっと見てた!好きだ」
「うん……私も好き」
泣きながら言う彼女の涙はさっきまでの悲しい涙と今の嬉しい涙で凄まじい顔になっていて
「やっぱ可愛いね」
彼女も僕も嘘をついていた
そのブッサイクな面も分かりにくい性格も
頭にくる言動。普通そんなとこを見た相手をすきにはならない
嬉しそうな彼女を見ても何も思わない
これはきっと好きということではないのかもしれない
「好きだよ」
そして嘘をついている
嘘は嘘 かいようくん @seirohakiss
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます