スライムの章

新たな始まり

「おああああああ!?」


闇を抜けると、そこは天空でした。


「いや、転生ってもっとパァァみたいな感じでするんじゃねーの!?馬鹿か!?」


とんでもない速度で落ちていく俺。さっきとは違ってしっかり景色が見えるから普通にヤバい。


だが、そう。景色。


眼前に広がっているのは、明らかに日本ではない美しい自然。ほんとに異世界に来たのだという感動が……


「あるけどね!それどころじゃないよね!だって死ぬもん!」


どんどん近づいていく地面。下には森が広がっている。

……この速度と高さだと木々に引っ掛かって大丈夫でした~とか無理だよね?


「ま、まぁ実はこの後謎の力でふわ~って浮くんだろ?よくあるもんな!」


……後で気づいたが、人間追い詰められたり切羽詰まってたりするとわりと普通に死亡フラグを建ててしまうものなのだ。

死亡フラグじゃんと笑ってられるのは他人事だからなんですね。


まぁ、そういうことで、俺は何かに突き刺さった後何が折れたり千切れたりする感覚をなんとなーく感じながらブラックアウトした。

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