第3話

  「お前たちには、転移試験というものを受けてもらう。」

  「「「転移試験?」」

  何だそれ?

  「異世界転移するための試験だ。ウチは俺の四代前、つまり刀真の五代前の人から、次期当主が転移することになっていてな。ただ、転移するには一定以上の実力がなければならないから、テストをするわけだ。」

  「いや、急に何を言うかと思えば、異世界転移とか意味わかんないからね?」

  異世界転移ってなんだよ。漫画じゃあるまいし。

  「なら、証拠を見せるか。俺も、同じ反応をしたから、お前もきっとそう言うと思って、ある刀を持ってきた。」

  そう言うと親父は鞘、柄共に黒い刀を出した。

  「その刀が?どう見ても普通に見えるけど?」

  「それは刃の部分を見てから言うんだな。」

  すると、親父は刀を抜いた。するとそこには、

  「刃が金色…?」

  そう、金色の刃があったのだ。

  「お前たち、この刃の素材は何だと思う?」

  「普通に金じゃないんですか?」

  と、はる姉。

  「普通の刃の素材に金を塗っただけとか?」

  と、あいちゃん。

  俺は、

  「オリハルコン…?」

  と、呟いていた。

  「刀真、何故わかった?」

  合ってるのか。

  「理由は、正直に言うとない。ただ、親父は嘘をつく人間じゃないし、鉱物の知識としてオリハルコンを知っていたから、なんとなくそうなんだろうなって思っただけだよ。」

  「なるほどな。刀真の言う通り、これはオリハルコンで出来た刀だ。こちらの世界のどの鉱物よりも硬く、異世界でも、最も硬い鉱物として有名だ。当然、オリハルコンを加工出来る技術はあちらにしか無い。どうだ、異世界があると理解出来たか?」

  三人は頷いた。

  「そうか。なら、次は転移する理由を話そう。異世界にも学校があってな、そこは普通の学校のように知識を身につけるだけでなく、武術や剣術、さらに魔法が学べる。お前たちにはそこで学び、強くなってもらう。特に、刀真にはその学校で最強を目指してもらう。」

  「その理由は?」

  「人族と魔族、それから他にも色々といるが、基本的にはその二族が対立していてな。そこで、異世界人に魔王を倒して貰いたいと言うのが、神からの頼みらしい。」

  「 なるほどね。現代には相手もいないから、他の剣術を知るのにいいかもね。」

  「先程、刀理様は当主が行くと行っていましたが、私たちが行く理由は何でしょう?」

  「そりゃあ、刀真が居なくなると君たちが寂しがるからじゃないか。」

  「納得です。」

  「コクコク」

  「なら良し。じゃあ、試験の内容に移ろうか。内容は簡単。俺にお前たちが異世界でもやって行けるだけの実力を見せてくれれば良い。」

  「わかった。順番は?」

  「そうだなあ、千春君、愛璃君、刀真の順でどうだ。」

  「 俺はいいよ。二人は?」

  「私も構わないよ。」

  「私も!」

  「だってさ、親父。」

  「それじゃあ、早速試験を始めようか。」

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