ルールを作ろうと思います!
「あらあら?どうしたの周斗くん?
早く私を越しなさい?」
「お前俺が越した瞬間にその手に持ってる
赤甲羅ぶつける気だろ!さっきから
悪意駄々漏れなんだよっ!」
「私はこのままゴールでもいいのよ?
その場合、勝負も出来ないビビりマンという
称号が貴方に送られるわ」
「そんな称号要らねぇーよ!…つーか、早く
投げてくれ。試合にならん」
「しょうがないわね~。これもハンデよ?」
「よし!アイテムが無くなった!このアイテム
でお前を越す!よし!キラーいけ」
「はい雷」
「うわぁ~~!俺のキラーがーーー!」
「はい、私の勝ち!私が貴方に負けるはずが
ないもの。これは世界のルールよ!」
「いちいちゲームごときで世界を出すな!
ていうか、お前この前から運ゲー強すぎ
んだよ!」
「はいはい、そんなことは良いから。
周斗が負けたから罰ゲームね」
「おい聞いてねぇーぞ!」
「言ってないから分かるはずがないじゃん。
私の言うことを一つ聞いてもらうね」
「法律に触れないのにしろよ」
「そんなことするか!私の事どう思って
んのよ!」
「脳筋屁理屈バb」
「それ以上言ったら殺すわよ?」
「な、何でもないです…」
危ない、奴の目がマジだった。
「俺に出来る範囲にしろよ。
あまりにもひどいのなら却下だからな」
「ふっふっふ。もう言うことは決まってるの
よ。今日はルールを作ろうと思います!」
「ルール?」
何か面倒くさいことになる気が………………
□○♡□○♡□○♡□○♡□○♡
ルールとやらを教えてくれずにいきなり出ていけと言われたので今は自室にいる。
終わったら呼ぶと言っていたが嫌な予感しかしない。
なんやかんやいって、もう一、二ヶ月ぐらい
学校の後は一緒にいる気がする。
奴の狙いが何かは分からんまま、今の状況に
なってしまっているが………
「良いよ~」
どうやら準備とやらが終わったらしい。
胸に残った嫌な予感が拭えないまま俺は二階に
向かうのだった。
□○♡□○♡□○♡□○♡□○♡
「ルール出来たよ~。じゃあ早速いうね?」
「ああ、良いぞ」
一つ目は何だろうか。流石に一発目から大きいことは望んで来ないだろう。
「一つ目は毎日一緒にご飯を食べること」
「おい待て、ちょい待て、少し待て!
今の俺の気のせいか?毎日一緒に飯を食う
みたいな事が聞こえたんだが」
「ピンポーン!合ってるよ~」
「ピンポーンじゃねえよ!出来れば外れて
欲しかったよ!」
「ていうか、何がそんなに嫌なの?
別にたまに一緒に食べてるじゃん?
…もしかして邪魔だった?」
「んな訳ないだろ。別にお前といる時間は
楽しくて好きだよ」
「そ、そっか。あ、ありがと」
「?おう」
いきなり顔を真っ赤にさせているがどうした?
まあ、いいか。…今はこいつをどうにかして
説得しなければ。
「お前もよくよく考えてみろ。夜遅くに年頃の
男女が二人きりだぞ?身の危険を感じない
のか?」
「別に周斗はそんなことしないでしょ。
するならもうとっくに手出してるはずだし」
「うっ。確かに…」
「食費なら私も半分出すから大丈夫だよ?
後他に聞くことある?」
「いや、特にないが」
「じゃあ一つ目は決まりね。はぁ~やっと
コンビニ生活が終わるわ。ぶっちゃけ周斗が
作るご飯の方が美味しいんだよね」
「お前最初っからそれ狙いじゃ…」
「てへっ☆」
「お前な……」
どうやらまんまと嵌められたらしい。
まあ、それぐらいならいいか。
「じゃあ二つ目ね。お互い名前で呼び合う!」
「いや名前で呼び合ってるだろ。
何を今さら」
「いや周斗私の事名前で呼んでないでしょ。
私がせっかく呼んであげてるのに」
「伝われば良くないか?」
「よ・く・な・い!これは友情を深める効果も
あるんだよ?はいじゃあ言ってみて」
「いや、いきなりは無理と言いますか…」
「早く」
「ちょっと恥ずかしいなー…」
「いいから」
「ちょっと心の準備が…」
「早くしないと学校でも呼ぶよ?そっちの方が
面倒じゃない?」
「お前それは卑怯だろ!…分かったよ。
未久」
「~~~!」
「どうした?未久」
「~~~!ち、ちょっと待って!間をおかなき
ゃ恥ずか死ぬ!」
こいつは何を言ってるだ?あ、まさか………
「どうした未久?大丈夫か未久?」
「!ちょ、ちょっと待って!
今はやばいから!」
「あれあれ~?未久さんは名前を呼ばれて
恥ずかしがってるのかな~?さっきはあんな
に急かしてたのに言われた瞬間に
顔を真っ赤にして」
「わ、悪かったから。私が悪かったから!
一回落ち着かせて!」
俺はこの後散々未久をいじってやった。
そのまま悪のりでずっといじってたらいきなり
『これ以上言うならあんたを殺して私も死ぬ』
とか、恐ろしい事を言い出したので俺はおとなしくやめることにした。
□○♡□○♡□○♡□○♡□○♡
この後も二人で話し合って色々決めた。
放課後予定がある時は、メッセージを早めに
送ることや、学校では極力関わらないこと。
これに至っては俺の意見だが、中々賛成してくれなかった。
最後は不服そうにしながらも認めてくれたが、
これはこいつのためでもあるんだがな。
その事を伝えると、
『そんなことどうでも良いのに…何か合法的に
話しかける方法は……』
とか、何か喋っていたが聞こえなかった。
まあ、流石にそこら辺は守ってくれるだろう。
人の嫌なことは絶対にしない奴だからな。
そんな他愛もない話をしながら今日も夜が更けていくのだった。
本当は両想いだけどあと一歩が踏み出せない男女のゆる~い日常 @1ya12ma2to
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。本当は両想いだけどあと一歩が踏み出せない男女のゆる~い日常の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
近況ノート
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます