第183話 だがこの選択が間違いだった。

12月18日。外では8月27日

朝ごはんは7時ちょうどに出して貰う。

これはおじさんの優しさで「11時に軽食出してやるからな」と笑ってくれた。


「ご飯中にお行儀悪くてごめんなさい」

私はそう言って断ってからルルお母さんを呼ぶ。

向こうでは丑三つ時なのだがそれでもルルお母さんが反応をしてくれる。


「どうした?」

「おはようルルお母さん。でもそっちは夜中だよねごめんね」


「いや、気になって仕方ないしちょこちょこと寝ているし、いざとなるとジチやマリオンが交代で次元球とセカンドを気にしてくれている。それでどうした?」


「次元球って予備とかないかな?」

「あるぞ、必要か?」


「うん。使いたいんだよね」

「ほれ」と言って次元球が出てくる。


「ありがとう。王様寝ているんだよね?あまり長話すると疲れちゃうからこの辺でやめるね」

「ああ、そうだな。だが無理はするな?完全解決も大事だが私はその前にお前達の無事を望んでいる」

「ありがとうルルお母さん」


「いや」

「ツネノリも挨拶しなよ」

「母さん、ありがとう。こっちで後3日、そっちで今日一日。何とか生き延びるから。家の手伝いできていなくてごめんね。帰ったらやるから」


「そんなものはどうでもいい。無事に帰ってこい」

「ありがとう!」


「それじゃあね」

そうして次元球は通信を終わらせる。


私はその次元球をおじさんとおばさんに渡す。

「これは?」

「次元球だよ。予備の奴をルルお母さんに貰ったの。おじさん達も持っていて欲しいと思ってね」


「何故だ千歳?」

「ん?まあね。今日はおじさん達の所じゃないかもしれないし。遠くで野宿って時にご飯を送って貰えたら助かるしね」


「ああ、任せてくれ」

「後はメリシアさんも持っているからきっとメリシアさんが連絡をくれると思うよ」


「済まないね千歳様」

「ううん、ギブアンドテイクだよ。私達ももしもの時の為に持っていて貰うんだし。あ、ごめんねメリシアさんは向こうが夜中で寝ていたから今は連絡できないけど、明日からなら話せると思うよ」


そう言って次元球を預かってもらう。

だがこの選択が間違いだった。

私はまだその事を知らない。


知った時の後悔は果てしなかったのだ。


身支度を整えて外を見ると雪だった。

「わぁ、セカンドも雪が降るんだ」

「綺麗だな」


「うん。こんな日に戦闘だなんてねぇ…」

「まったくだ」


そうして軽食を貰って食べ終わりトイレなどを済ますと時間は11時50分になっていた。



「気を付けてね」

「おばさんありがとう」


「今晩もうちなら何が食べたい?」

「おじさんのご飯はどれも美味しいから聞かないで食卓を見て喜びたいよ」


「はっはっは、そうかい?じゃあ今日もウチだった時を楽しみにしておこう」


「おじさん、おばさん。昨日は一晩助かりました」


「ツネノリ君、本当に無理しないでね」

「はい」


「怪我するなよ?メリシアが悲しむぞ」

「はい」


そうしていると召喚の光が足に出る。


「ツネノリ」

「ああ、行くぞ」


私達は召喚の光に飲まれた。

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