アンバサダーステッキ

油揚げを通り抜ける電子が

マネージャー無しでは耐えられぬと

派遣社員は逃げ出した

アイドルは雨の中でも立っているというのにね

虫の神に捨てられて

麻婆豆腐を食べ過ぎた

腹の膨れた私は言う

帰ってこい、三原くん

未払いの電子マネー

あなたの空を叩き割り

カプサイシンが降ってきて

暖かくなって

金より大事なものがあるとよさ


虻の乾いたやつ、体

にいいときれいな女優が

言っていた

紫色の光がさ

丘の上でびらびら広がる

油で汚れた稲妻が

スキー場に立っていた筒の形の

妖怪をお持ち帰りする

それは虻の化けたやつだった

漢方薬の幽霊だ

船通山に向かって

呪い

を放つ

僕の怖いもの

虻の野郎がそれだけ悪い口を

聞くようになった心情を

彼の口から直接聞きたいと

思ったよ

そんなに憎んでも

君が心臓を治してやれることはない

君が歩けなくなった子供を孤独から救える

わけでもないのだ

金では全てを買えないだろうが

てを伸ばしせばできそうなことさえ

できてないだろうが

アイドルが雨のなかで歌っても

ただの若い女でしかないように


そこに感動的環状構造はない。

ただ回って乾いて可愛くなくなるだけ。

だんだん可愛くなくなって

だんだん瞳が閉じていって

薬の量も増えていく。

チケットを渡そうとするあなたのて

まるで、幽霊?

まるで、虫の表皮細胞だ。

けれど、あなたはだんだん輪になって

腕をプラレールが一周する。

買い与える子供などいないけれど

つないでつないでつないで

最後の最後まで

その生きる可愛さで

全てを悟った内面は

けして馬鹿ではないと

馬鹿でなければ大丈夫だと

丁寧に几帳面にナイーブに

泣いたり叫んだり呪ったりして

生きていくのだ。

一番大事なことだけを内側に隠して

斯くして、生きていくのだ。




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