ガトークロック
金色の壁に近づくと
僕はカシオペアの悲しみに
ぐったり衰えた
窓のサッシが
綺麗になった
勝手にぱたぱた開くドアが
真っ青な命を呼びつける
後ろ向きになって
霞み取り巻く菫の衣
二人のためだけの暖かさ
どれだけ待っても
返事のない街に
アドレスの死んだあばら屋に
あとは雪が降るしかない
チーズの入った
フランケンシュタイン
逃げ惑う傘と遊ぶ
人生を更けた人の涙
見たってどうしようもない
鮮やかな裁きを受けて
花瓶が倒れる
銀行に忘れた風
凪払いカメラを捨てた
忘れ続けていたズボンのはきかた
再び目覚めて
半分に折れ曲がった親しみが
いちじく味の生活が
腐った稲穂と踊り出す
それに種はなかったが
美しく思いだし
老人はかすれた声をあげた
そうだ
私は、かつて元気だった
同じものを愛し続けるのに
人生は長すぎる
昼も来れば夜だって来る
愛された跡に捨てられて
悲しんだ跡に喜んだ
そして
すっかりすっきり忘れた跡に
センチメンタルに
情熱的に
じわりじわり
暖かく、思い出してしまうことだって
あるらしいね
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます