ホットマスカット
幽かな仮面を
つけなおすために
探し続けるものがある
終り続ける神憑り
その門前に立ち尽くす
使い手たちはいつも笑う
許されなければ力を交わせぬ
ものたちだ
電柱が倒れ
カラスがほとばしる
使い続けた私のベルト
追いすがる愛を邪険にして
汚れた仮面を指差して
たとえ誰が笑おうと
私は立ち続ける
壁に描き続けた願い
新しくした靴で歩きだす
黄色いコードの渦巻いた
破れかぶれの恋だった
水色のコートがきれいな風景
間違うはずがない
震える床と
終らぬ戦い
仮面の内側にたまっていく
さらば君よ
記憶の庭の
微かな笑みに
分かたれた道を
曲げられぬ信念を
恨んだこともあった
確かな仮面を支えながら
きっと最後に溢れ出す
アルバムの中の奇跡
だから私は守り続ける
弱い心を見せすぎて
本当は強くないのに
一生懸命だったんだ
私は、ただのいい人になったって
別によかったんだ
請われ続けた瞳があり
憎み続けた出来事が
引っ掻き続けた右の壁
壊れていない確かな青さ
扉の内側の涙吹き飛ばす
とれかけた平たい私の魂を
今日もまたつけなおす
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