第十七話 もう驚かない

「とりあえず、来月にはテストがある。そこまでどのくらい点を取りたいと言うのはあるか?」


「うーん。あんたに任せる。でも、赤点は避けたいのよね。」


「分かった。なら苦手な教科は赤点回避。それ以外は六十点を目指そう。」


「え!?そんなに!?」


これくらいで驚かれてしまっては困る。古内には桃山奪略に向けて全力のサポートを頼みたいと思っているので、こちらも彼女のために全力でいかなくては。


「あぁ。まぁ目標だ。今言った点数前後を取れれば今回は上出来だろう。」


「分かった。うち、頑張る。」


「明日、一度お前の実力を測るために俺がテストを作ってくるから、それを解いて欲しい。また同じ時間に教室に来て欲しい。」


「自分でテスト作ってくるの!?もうここまで言われたら、他になんと言われようと驚けなくなるわね。」


そんなに驚かれるような事を言っていただろうか。

すると古内が俺に質問してきた。


「あのさ、この関係って周りには秘密にしとく感じ?」


「まぁそうだな。そっちの方がやれることも多いし。」


「じゃあ、放課後の教室でやるのはちょっとリスキ

ーじゃない?」


思ってみれば、そうだった。中々鋭いな。


「じゃあファミレスとかどうだ?」


「あんたバカ?そんな学生の溜まり場みたいな場所、誰かに見つかるわよ。」


ふーんそうゆうものなのか。困った。じゃあどこでやればいいんだ。そう考えていると一つ妙案が思いついた。


「じゃあ、お前の家でいいか?」


「は!?」


言うまでもないが、古内はこの日一番驚いた顔をしていた。

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