第十一話 彼女と事件⑤

「だが爪が甘いな。」


そう彼女こと桜は言った。


「どういうことですか?」


「今ここに隠しておいた下着を隠蔽すれば進藤くんには証拠がない。私がやっていないと答えればそれで終わり。あっはっは。」


彼女がそこに下着を隠したことはわかっていた。流石に職員室に下着を持っていくのは危険すぎるし、

先生の机には鍵のついている引き出しが無かった。


だから先生のものを置ける鍵のかけれる場所は教室の先生の机にしかないということだ。だから俺は放課後にここに下着を取りに来ると分かったのだ。


「確かに。やられたな。それじゃあ先生。最後に一つ聞いてもいいですか?」


彼女は笑顔で答えた。


「なんです?」



「なんで彼女の下着を盗んだんですか?」


すると桜は変わらない笑顔で答えた。


「好きだから。」


これで納得いった。彼女は俗にいうレズなのだ。だから男子には興味もなく、質問などに無愛想に答えるが、逆に女が好きな彼女は女子生徒の質問には明るく丁寧に答える。そういうとか。


「でも先生、あなたの負けですよ。」


「どういうこと?」


俺があるものをポケットから取り出すと先生の余裕の笑顔が途端に崩れた。


「そ、それは!?」


「今の世の中って便利ですよね。携帯さえあれば会話をできるんだから。」


「進藤、、、それをいつから、、」


「はじめからですよ?聴きます?」


俺は桜に余裕の笑みを浮かべ尋ねた。


「何が目的だ?」


「おっと。話が早いですね。そうですね。この事は学校には言いません。時々、俺の命令に従ってくれるだけで構いません。もちろん性的な事は一切しないのでご安心ください。」



「くっ............」


彼女はその後二分沈黙し、その後


「分かった......。」と呟いた。



こうして俺は最強の駒を一つ手に入れた。

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