「家族になろう。だからそばにいて欲しい……」
ダンッ‼
「え!?」
玄関で物凄い音が聞こえた。
「いったいなに……?」
アリスは玄関で物凄い音がした方へと歩いていった。
「なに……」
恐る恐る見てみると誰かが倒れていた。
「ケンにぃ……?」
ケンが倒れていた。
「――っ!」
その瞬間! 全身、何かが襲ってきた。両親の……あの時の不安が一気に襲ってきて寒気がした。
「お兄ちゃん!」
急いでケンの元に駆け寄り体を揺すった。
「……あぁ」
「――あっ!」
息はしてあった。
「……息してる良かった」
少しだけ安心し気持ちが安心をした。
すると近くに箱を見つけた。
「なにこれ」
私はその箱を拾い中身を開けた。
「……ケーキ?」
中にはケーキが入っていた。
中身は崩れちゃったけど、ショートケーキだった。
ヒラッ。
「……?」
すると手紙が床にゆっくりと地面に落ちていた。
「……これ?」
私は手紙を拾い上げて中身を開けた。
『 アリスへ 』
『最近。アリスに構ってあげられなくてごめんな。
ちょっとバイトを沢山やっていて少し大変だけどお金が溜まったら二人で旅行に行こう。
これからも少しだけ迷惑かけるけど頑張って俺はアリスのお兄ちゃんとして。頑張るよ!
沢山わからないアニメとかあるけど教えてくれなアリス』
「――っ!」
遅かった……いつも帰りが遅かったのって私のためだったんだ。
「あぁぁぁ!」
もう涙が出てしまうほど訳が分からなかった。
私のためと思ってくれるのは嬉しかった。けど、こんな倒れるまで働くなんて、それを気づけなかった自分がバカだった。自分のことばかり……。
「ばか! ケンにぃのばかなんで……」
本当にばかしか言えなかった。
自分のためには少しでも休んで欲しかった。倒れるまで必死に……。
「決めた……」
そう、私は決めた。ケンにぃを、私の大事なお兄ちゃんで大事な好きな人健太に告白をしよう。
もし、無理だとしてもこれ以上。健太に心配をかけさせたくない。
「好きだから」
そう、私は決心を固めて、健太をリビングに連れてった。
◇
「……んっ」
少し気持ちが悪い……。
頭がハンマーで殴られたかのような激痛が襲ってきて気持ち悪さがさらに加速する。
「……あぁ、んん?」
なにか違和感を感じた。下の方に柔らかく、額のところが冷たかった。
「……健太。大丈夫?」
「んっ?」
アリスの声か?
なんか顔が近くにあるけど……。
目を開けると段々とアリスの顔がはっきりとしてきた。
「……――っ!」
ようやく気付いた。
アリスが俺に膝枕をしているっていうことが、
「わっわるい!」
急いで起き上がろうとするとアリスに止められた。
「ダメ! 起き上がっちゃケンにぃ……健太。玄関で倒れてたんだよ」
「倒れてた⁉」
えっいつ、どこで倒れえてたんだ……?
「……ん?」
それともう一つ違和感があった。
「なあアリス。なんで名前を呼び捨てなんだ?」
「――っ!」
するとアリスの顔が真っ赤になっていた。
「……本当のことをいうと好きな人がいたの」
「えっ? あぁ…………えっ⁉」
アリスに好きな人が出来た⁉
それは嬉しい……。嬉しいがそれが俺の呼び捨てとどう関係をしているんだろう。
「その人はアリスにとってどうゆう人なんだ」
流石に俺が知りたい人だったら嬉しい。せめて知り合いであればアリスのことを安心して………。
その瞬間。なにか嫌な気持ちが出た。
それはわからない。アリスが他の人と一緒に居るというだけでなんか嫌な気持ちだ。
アリスの顔を見ると笑顔で笑っていた。
「私の一番大切な人。大切で私はなかなか好きって気持ちが言えなかった世界で安心できる私の……」
するとアリスが息を吸っていて天井の方を向いて、
「――はぁ」
吐いた。
そして俺の顔を見てきた。
「大好きなお兄ちゃん。だよケンにぃ」
「……――っ!」
え、アリスなんて言った!?
ふとさっきの言葉を思い返してみると、
『大好きなお兄ちゃん。ケンにぃ……』
そう言われた。
「……えっ」
アリスが俺のことを好きだって言った……?
アリスの方を見つめると小さく頷いた。
「……ずっと、ずっと言いたかった」
そして俺の頬に手を当ててくるとほんのり温かった。
「ずっと、……小さい時からずっとっ!」
そしてどんどんとアリスの涙が溢れてきていた。
「好き……大好き! ずっと言いたかった! 大好きだって……ケンにぃのことがずっと小さい頃から大好き……」
そしてどんどんと溢れていた涙が雫となり俺の鼻に当たった。
「中学の頃にパパとかママがなくなったを支えてくれたのが嬉しかった……。いじめっれてた私を怪我をするまで守ってくれたこと……。こうしてお金のために無理してまで働いてたこと嬉しかった……。だけど、だけど!」
アリスの顔がクシャクシャになっていてもっと涙が溢れて落ちてきた。
「……ありがとう。わたしのお兄ちゃん。私はお兄ちゃんのことが、健太のことが世界で愛しているよ。だから二人で乗り越えて……」
「――っ! アリス」
アリスの言葉でようやく気づいた。
そっか俺はアリスのことが好きだったんだ。
今まで兄として、一生懸命にやっていたけど。俺は彼女のことが好きだったんだ。
こうして泣かしてしまった。
泣かせないよにしていたけれど俺はアリスの笑顔がみたい……。
「アリスちょっといいか」
「――っ! ……うん」
アリスは小さく頷き掴んでいた頬を離した。
俺は体をアリスの方に向けた。
「アリス……。結婚をしてくれ」
「――えっ⁉」
アリスが驚いていた顔をしていた。
「俺はアリスのことが好きで世界で愛している。だから幸せになろう」
俺は手を差し出した。
「家族になろう。だからそばにいて欲しい……」
「――っ!」
アリスが俺の顔をなんでも見てきた。
「本当に――っ」
「あぁ、家族になろう。アリスを幸せにするよ。だから結婚、しよう」
「……っ うん。……うん。うん!」
アリスが頷きながら泣いていた。
「私をお嫁さんにして、ください健太くん」
そして俺の手を握った。
「うん。……うぁぁぁぁぁ!」
そしてアリスが泣きながら叫んでいて、俺は彼女の背中を優しく撫でた。
「あぁぁぁっ! 健太! けんたぁぁぁぁぁ!」
俺を服を握りしめてただ泣いていた。
「あぁ、ここにいるぞ……」
小さい頃に遊んでこうしてホームステイをしてきて、アリスに幸せだったことだと思っていたが叔父さんが急になくなり。いじめにあって心を閉ざしてしまったけど。
せめて俺がそばにいてアリスを安心させよう。
そう思い。お兄ちゃんとして出来ているかどうかわからなかったが笑顔をすることだけを頑張ってきて。倒れてしまい彼女を不安にさせてしまった。
……やっぱりアリスのことを好きで笑顔にさせたい。
隣で彼女の歩いて笑っている未来を見せてあげたい。
「アリス。幸せにしてみせる……」
そうアリスを幸せにさせよう。それが俺が出来る精一杯の出来ることだ。
「「――っうん。……うん! うあぁぁぁぁっ!」」
彼女は一晩中ずっと泣いていた。
俺たちは恋人としてそして婚約者として高校卒業まで一緒に暮らした。
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