迷子
縁結びとケンが叫んだ時は本当に焦った……。
それにケンにぃが……。
「彼氏いるのか?」
ってケンにぃが言ってきたけどケンにぃの恋人になりたいのに……。
噂だけど縁結びを渡せば恋人になれるって聞いたことがある。
だからこそ今度は渡そう!
でも……どうやって渡すかが問題なんだけど……。
素直に「ケン! 好き!」って言って渡すのはどうかな?
「……」
う~ん? もうちょっと素敵な場所で告白がしたいな……。
するとケンが顔を覗かせてきた。
「それでアリス他には何がいい?」
「え!?」
いきなり話しかけられ沈黙が流れてしまう。
「えっとなんだっけ……」
「この後のどこ行こうかって話してたんだけど」
「あぁ! えっと……」
適当に指を指してケンに伝えた。
「唐揚げ! 唐揚げが食べたい!」
「了解」
ケンが歩いて行った。
どうやって告白しよう……。
唐揚げを買って渡してくれたと同時にケンが向こうの方をむいていた。
「あれ、あの人?」
「ん?」
アリスも向くと私服姿の茉莉奈がリンゴ飴を食べてウロウロしていた。
「……あっ」
こっちに気づいたようで近づいてきた。
「健太さん! こんにちは」
「こんにちは茉莉奈さん。祭りに来ていたんですね」
すると茉莉奈が苦笑いをしていた。
「あはは……。友達と来ていたんですが彼氏が浮気の現場と発覚して喧嘩になりながら帰っていったので。私も帰っていたらこうして会いました」
「おぉ……凄い展開ですね」
「はい……ですね。あはは……」
こっちにも気づいたようで挨拶をしていた。
「アリスさん。こんばんは」
「こんばんは。茉莉奈ちゃん」
前に喫茶店を通ってたら覚えていた。
「健太さんたちはこのあとにやる。アイドルの歓声に来ていたんですか?」
「アイドル?」
茉莉奈が首をかしげていた。
「あれ? 違いましたか? 友人が誘われてここに来ていたんですが……」
ケンが首を振っていた。
「いや、俺達ただ単に遊びに来ていただけなのでアイドルとか言われても。すいませんわからないです」
すると茉莉奈が手を左右に振っていた。
「いえいえ! 大丈夫です。私もあまり知らないですので」
ケンが唸っていた。
「良かったら一緒に回りませんか? こうして帰ってしまうのもつまらないと思うのですが?」
「え? 良いんですか?」
ケンが頷いた。
「ええ。アリスも良いか?」
こうして二人で、でもいいけど知っている人が楽しくないまま帰るのは。私の中でも嫌だった。
「うん。良いよ」
縁結びは家で渡して告白すれば大丈夫だよね……。
「あ、ありがとうございます!」
そこからは三人で行動した。
金魚すくい。射的屋。釣りヨーヨー。わた菓子にかき氷。
いろんなところを回っているとあっという間に時間が過ぎていた。
「あ、あの!」
茉莉奈が頭を下げる。
「今日はありがとうございました!」
「楽しめましたか?」
彼女は笑顔なって。
「はい!」
するとアナウンスが流れていた。
『このあと人気グループの――』
周りが騒ぎ出した。
「おい! もうすぐ始まるぞ!」「行こう! ダーリィン」「おう!」
そして雪崩みたくこっちに向かってきてアリスが人の流れにきて流されていく。
「ア、アリス!」
そのままケンと離れてしまった。
そのままアリスは流されていくも端の方に避けながらなんとか脱出出来た。
「ふぅ……」
人が少なくなって周りを見渡す。
さっきとは見たことがない光景の場所だった。
「え? ここ、どこ?」
ケンや茉莉奈の姿がいない。
「ケンにぃどこ……」
あたふたしてるとケンから電話がかかってきた。
「ケンにぃ!」
急いで私は電話を出る。
『良かった繋がった。今、どこに居るかわかるか?』
「え、えっと……」
出店が売っている種類を言った。
「かき氷屋さんと唐揚げ屋さんが売っている場所。あとはえっと……。射的屋があるよ」
『あー。それだけじゃあ何処にいるかわからない……。茉莉奈さん! 神社に縁結びとかお守り売ってたよな!』
向こう側の方で茉莉奈の声がこもっていたけど「そうだけど」と小さな声が聞こえた。
『アリス! 神社に行けるか?』
「神社……」
今はわからないけどお店の人とか聞いたら教えてくれるかもしれない。
「うん。頑張ってみる」
『じゃあ神社に集合な!』
「うん! わかった」
アリスは電話を切って近くの店員に聞いてみた。
「すいません! 神社って何処にありますか?」
「ん、神社かい? ここを真っ直ぐ進んで階段があるから登ればすぐだよ」
「ありがとうございます!」
その場で頭を下げて神社の方に向かう。
ケンにぃ待ってて!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます