試着

 平日の金曜日。ケンはアニメを見ていた。女の子達が喋りながら軽くツッコム。緩やかなアニメが今終わった。

「アリスもこの最新話、見ていたかな?」

 アリスはいうと一緒に風呂を入ったあと洗濯物を畳んでくれていた。

 前に手伝った事があるが服がクシャクシャになってしまいアリスに頼っている。

 それはそうと明日はバイトが休みだから久しぶりにマジカルダンスを一気見しようかな。

 棚に置いてあるマジカルダンスのDVDを手にかけるとアリスがこっちに来た。

「ケンにぃ。明日ってバイトなかったんだよね?」

「うん。休みだけど、どうした」

 ケンはアリスの所に近づいた。

「ケンの服に穴が空いちゃったの、虫にやられたんだと思う」

「マジか……」

 アリスは頷いた。

「さっき洗濯してたら見つけちゃった。私の下着も穴が空いちゃっから明日買おうかなって思ったたけどケンが休みなのを思い出したから明日一緒に行かない?」

 虫で穴が空いた以外にも服が小さくて着れないのがあったから丁度良かった。

「いいよ。行こうか」

「やったー! ケンにぃの服とか選んであげるからね」

 アリスは子供みたくはしゃいでいた。

「ケンにぃにどんな服着せようかな?」

 アリスはまた洗濯物を畳に向かっていった。

 最近は買い物とかしたなかったから。喜んでくれるなら良かった。

「今日は2、3話だけ見て終わりにしようとかな」

 ケンはパッケージを一個だけ取って見始めるが好きな深夜のアニメがリアタイでやっていて寝るのが遅くなってしまった。


 次の日、朝ごはんを食べてアリスと一緒にバスで乗りショッピングセンターに向かった。

「さて何処行こうか」

 アリスが袖口を引っ張ってきた。

「最初は下着屋さんに行ってもいい?」

「別に構わないよ」

「やった! それで可愛いの選んで欲しいな」

 アリスと服とか下着を一緒に選んでるから普通の事だ。

「了解。そのあと服で良いのか?」

「うん。ケンの服も選んであげるからね」

「おう」

 そしてランジェリーショップに歩いていく。

 店内に入りアリスはピンクと黄色の下着を持って聞いてきた。

「ねぇケンにぃどっちが可愛いと思う?」

「んーそうだな……」

 ピンクと黄色い。両方を想像してみる。下着が似合っていた。でも自分の意見はある出来ればアリスの意見も聞いておきたい。

「俺は黄色が似合っているがアリスはどっちが良いと思った?」

「私も黄色が可愛いなって思ってた」

 意見があって良かった。

 レジで買い物を済ませた。

「それじゃあ。服の行こうか」

 いつも世話になっているウニクロに向かった。

 すると店員さんが話しかけてきた。

「彼女さんですか? お綺麗ですね」

 まぁ確かに他の人から見たら俺たちはそう見えるのかも知れない。

「いえ、兄妹です」

「あ、すいませんそう見えたので」

 驚いて店員さんは別の方に向かった。

 アリスは笑っていた。

「彼女だなんてえへへ……」

 なんで喜んでるかわからないが今はアリスに似合う服を探すとしよう。

 俺はピンクのワンピースを手に取ってみる。

「アリスに絶対似合うな」

 そう確信出来る出てきた瞬間綺麗になってるのに間違いない。

「それじゃあ着てみて」

「うん。わかった」

 アリスは試着室に入り数分待った。

「着れたよ……」

「どれどれ」

 試着室が開いた瞬間銀髪とピンクのワンピースがマッチして輝かせていて思った通り似合っている。

「どう、かな?」

 思わずスマホを取り出し一枚だけ撮ってしまった。

「可愛いよ似合っている」

「えへへ、嬉しい。今度はケンにぃの服を選んであげるね」

「よろしく」

 アリスはさっそく薄い緑重ね着の長袖と無印の長袖Tシャツを手に取った。

「あとは……えっとどれにしよう」

 アリスはジーパンも見ている。

「ジーパンの紺色も入れれば色的にバランスが保てるかな……」

 真剣に見ているが楽しそうで良かった。

「それじゃあケンにぃ着てみて!」

 ジーパンも手に取りアリスに勧められた服を持ち試着しみる。

「どう?」

 するとアリスが叫び出すと目を輝かせていた。

「きゃぁぁぁ! ケンにぃカッコいいよ! 似合ってるよ」

 スマホであっちこっち写真を撮られてる。

 アリスからの反応を見てみると好評みたいで良かった。

「それじゃあこの服。買ってくるな」

「うん」

 アリスが選んでくれた服とケンが選んだ服を持ってレジで会計を済ませた。

「他に欲しいものとかないか?」

「あとは今晩の買い出しかな。アパートに帰って近くのスーパーで買いたいんだけどいい?」

「全然構わないよ。それじゃあ帰るか」

「ありがとう」

 紙袋を両手に持ってアパートに向かっていった。

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