カレー
アリスは晩ご飯のカレーを煮込みながら鼻歌でアニソンを歌っていた。
「〜〜♪ ヘイ!」
とろみが出来て完成した。
「うん。いい感じ」
時計を見るとケンが大体バイトから帰ってくる時間だった。
「早く帰って来ないかな」
すると玄関のドア方から、ガチャと開く音が聞こえた。
「ただいまー」
ケンの声が聞こえてきた。
「あ、帰ってきた」
アリスは火を止めて玄関に向かう。
「おかえりなさい。カレー出来たけど食べる」
ケンは頷きながらお腹を撫でていた。
「お腹減った」
子供みたいで可愛いかった。でも一生懸命頑張って働いてくれたくれたことに美味しいものを用意したい。
「今、用意するね」
「ありがとう」
ケンは洗面台の方に向かい手を洗いに行った。
アリスはまた台所に向かいカレーを皿によそってテーブルに置くとケンがテーブルに座った。
「いただきます」
手を合わせケンはカレーを食べた。
「うん。美味いな」
「良かった……」
こんな風に美味しいってくれる人が居るとこっちも美味しいの作れて良かったと思える。
「そうだ」
アリスは小さい皿に二つ出しカレーを盛り付けて本当のお母さんとお父さんの写真が写っている写真立ての所に置きアリスは手を合わ
両親の命日はまだだけどアリスがこっちで初めて覚えた料理を食べてくれるかもしれないと思い置いた。
目を閉じた中で両親がカレーを食べてくれていた。
「あら、アリスが作れたの? 凄いわね。ね、アナタ」
「本当だな。アリスはいいお嫁さんになれるな」
二人ならそう言ってくれるかもしれない。
けれど現実にはいない。それはわかっている。
私はまだ両親のことが離れなれない。
「甘えちやってるな……」
ケンも立ち上がって隣で手を合わせてくれてた。
アリスは思った。ケンだったら私のご飯を食べてくれて美味しいと言ってくれた。それが両親に届くのか聞きたかった。
「……ねぇ、ケンにぃ。もし、パパとママが生きていたらこのカレー美味しいって言ってくれるのかな?」
「……アリス」
ケンは頭みたいに頭を優しく撫でてくれた。
「もちろん。二人ともアリスの料理は美味しいって喜んでくれてるさ」
やっぱりケンは優しい、私の一番のお兄ちゃんで好きな家族だ。
もし、彼と付き合えたら報告するからね。パパ。ママ。
「ありがとうケンにぃ」
肩をトントンと優しく叩いて立ち上がった。
「それじゃあ食べようか」
「うん」
席に座ってケンは何度もおかわりをしてくれた。
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