あとがき

 いっぱしの小説家の如く、あとがきを書いてみます。小説を書こうと思ったのは、コロナ騒動で残業が少なくなって家に帰ってからの時間が空いたのと、30歳の内に一冊分くらい小説書きたいなぁ、というフワッとしたものです。書きたいと思うくらいだから、小説好きな訳です。仕事始めてからは、そんなに読めてないですけど。


 私、色々あって高校デビュー失敗してて、ずっとボッチだったんですね。それで、高校一年の体育祭の時、やることないから図書館に行って、そこで出会ったのがブギーポップだったのです。いやぁ、面白かった。元々読書好きでしたけど、中学校ってそういう小説置かないじゃないですか。もう、夢中ですよ。授業中もずっと読んでました。他にも、森博嗣とか、西尾維新とか、舞城王太郎とか、色々嵌まりました。楽しかったなぁ。

 私はお世辞にも明るい青春を送れた訳じゃないし、今でも憧れがあったりしますが、例え人生やり直せたとしても私はまたボッチを選びます。成長期に大量に小説を読めたことは、とても良かったと思ってます。現実に尊敬できる人ってそうはいないですからね。小説の中の魅力的なキャラクター達が、私の人生の師なのです。


 所がですね、一方で人間、あれもこれも欲するわけです。私はボッチで、だけど自分だけで何でもできます。人生に殆ど不満はありません。挫折したことないし、仕事にやりがいを感じているし、結婚して可愛い子供もいるし。ぶっちゃけ有能だから、困ることが特にないのです。でもですね、だからこそなのかも知れませんが、私、誰かに頼ることが出来ません。人に頼むくらいなら、自分でやります。その方が確実だから。キモい話ですが、これで良いと思いつつも、人知れず勝手に孤独を感じていて、漠然と誰かに助けて欲しい、と思っている自分がいたりします。多分、これが逆で助けられてばかりの人生なら、私は何でも一人でできる能力が欲しいと思うのでしょう。

 この小説は、100%自分のために書いてます。だから、物語の中で考一君は母親だったり、沙織だったり、中央院さんに救われます。私が一番書きたかったのはその部分です。それが私の欲望だからです。現実にそんなことが起きないことは分かっていますが、空想の中でくらい、良いかなって。だけど、売れる小説とは何かを考えると、それは80%の人間の欲望を80%満たす物語を作る事だと思います。私は、自分が少数派だと言う自覚があって、おそらく大半の人間の欲と私の欲は一致しないので、いくら書いたところで小説で食べていけないだろうなと思っています。つまる所、記念ですね、記念。奇跡が起きて注目されたら、それはそれで、自分の感性が並であることが証明されてしまうので嫌ですが。まぁ、実際のところ、そうなのかもしれません。


 さぁ、次は何を書こうかな。暫く適当に休んで、また自分が読みたい小説でも書こう。

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メンヘラ彼女を殺された僕は面倒だけど彼女の姉と犯人探しする てんこ @kon-ten

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