第4話 コロニーがやってきた理由
最初に、私達はあなたが住んでいる星、エスティバの出身ではありません。
もちろん、異世界からやってきた訳でもありません。
ここから遠く離れた星、アーテラという星からやってきました。
私達の星は科学技術に優れており、さらに宇宙に進出する技術を持っていました。
そんな私達でしたが、とある問題に直面したのです。
それは資源不足。
他の星から資源を回収することが出来ましたが、それは消費量と比べて微々たるものでした。
資源を徐々に減らしながら、アーテラを捨て、住民をコロニー単位で管理し、別の星に移住する。そういう結論になったのです。
ですが、ここである出来事が起こります。
それは、異世界を観測したことです。
偶然の出来事でしたが、自分たちがいる世界とは違う世界がある。
この星を捨てるしか無かった私達にとって、それは1つの希望でした。
そして初めて観測できた異世界が、地球でした。
しかし、観測ができたと言っても時代や時間軸がバラバラでした。
初めて観測した時は原始的な時代。次は剣を握って戦っていた時代。その次は人がいなく魔物……地球で言えば恐竜がいた時代……という風に。
この世界から得られるものはない。
そう思っていましたが、地球で作られた映画などの娯楽を目にした時、考えを改めたのです。
私達が生きるために捨ててしまった、娯楽。
辛い現実に直面している、私達の心を安らいでくれるもの。
そこから出来るだけ、どんな時代であろうと娯楽を観測したのです。
徐々に地球以外の異世界も観測でき、その世界の娯楽も観測しました。
さらに観測するだけでなく、異世界に転移することが出来るかもしれない。そう思っていました。
ですか、観測が出来るだけで、結局異世界に転移することは出来ませんでした。
しかしながら、観測した異世界の娯楽を取り入れるように、建設中のコロニーにその名残を残しました。
これが、私達が地球を知っている理由であり、ここの管制室が地球で作られた映画をモチーフにしている理由です。
コロニーが完成し、遂に私達は長い旅に出ました。
私は100年間、このコロニーに生体反応がなければ、スリーブモードになるように設定されています。なのであなたがコロニーの入口前に来た時に、スリープモードから目覚めました。
今から何年前に、コロニーがエスティバにたどり着いたかは、分かりません。
ただ、ここまでコロニーが土や岩に埋もれるているのであれば、少なくとも1万年以上前に、たどり着いたと推測できます。
今の説明で納得してくれましたか?
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