第20話 滋賀県近江八幡市 6

 さて、まさかドラゴンの言葉が翻訳すると何とも言えないおかま口調になるとは思わなかった。

 いや、真面目にテレビで活躍しているおかまの皆様のような口調と声色だった。

 びっくりする。

 すると、ドラゴンの方もそれを察したのか、私を見るとけらけらと笑った。

 といっても、これは後で聞いたことなので、その時の私からすると口から炎を少し漏らしているようにしか見えなかったのだが。

「ぐぐぐぐぐ、成程。あなたわたくしの言葉遣いに驚いているようですねー」

 ドラゴンは、本当に声優顔負けのイケメンボイスで私に話しかける。

 というか一人称がわたくしであるということがかなりの驚きだ。

「まぁ、他のドラゴンは知りませんがわたくしはこのように、人間が言葉を聞くと俗にいうおかまのような口調になのよ」

 ……巨体から、渋い声で、おかま口調。

 泣きたい。

「まぁ、あなたの言う取材だけど……そうね、わたくしの問いかけに答えたら答えるわよ」

「ふむ……了解した」

 だが、一応このドラゴンは私に対して質問をするという権利は与えるつもりらしい。

「ちなみに知恵あるものに力を貸すのはドラゴンの習性みたいだぜ」

 そこらあたりでふわふわと浮いている秀次がそういった。

 さて、どのような問題をドラゴンは出すのか……。

「何故、わたくしの言葉を人間が聞いたらおかまと認識されるでしょうか?」

 ドラゴンは、そのように問いかけた。

 えっと……答えが見えてるんだが……。答えてみよう。

「両性具有だから、だろ?」

 私がそういうと、このドラゴンは目を見開いた。

「え……なんで即答?」

 あー……やはりこいつ、気が付いてないのか……

 なら、教えなくてはいけないだろう。

「失礼な話だがな……」

 私はドラゴンの体を指さす。


「水面からヘビの雄とヘビの雌の生殖器の形をしているものが、同時に見えている」


「い、いやーん!」

 ドラゴンは水に飛び込んだ。

 スイーツ(笑)



 

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