第18話 滋賀県近江八幡市 4
羽柴秀次、それは少しばかり歴史に詳しい人ならば聞いたことがある名前であろう。
豊臣秀吉の甥にして後継者、しかしながら豊臣秀頼が生まれると自害にまで追い込まれた人物。
「のゴーストが俺だぜ」
……マジか。
「あー、ここが近江八幡だからな」
私はこの地を思い出し、納得した。
「納得してくれたか」
偉そうに自称羽柴秀次のゴーストは、私の周囲をぷかぷか浮きながらあおる様に舞う。
ウザイ。
「なんだ、有名なのか?」
そして、きょとんとしたジュリエットが問いかける。
「まぁ、この国の歴史に詳しい奴なら大体知ってる有名人だ」
なるほど、無念の死という物はこのようにマナを取り入れた人を幽霊に変えるのか、などと思いながら妙に派手な格好をした羽柴秀次を見る。
「んで、確かドラゴンに用があったんだな?」
羽柴秀次のゴーストがそのように言う。
「ああ、そうだ。琵琶湖でどのように生きているのか、話を聞いてみたい」
それを聞くと、羽柴秀次は不敵に笑う。
「了解、なら案内してやるよ」
なんだろうか、この妙な自信というかふてぶてしさは。
……まさか琵琶湖のドラゴンが豊臣秀吉とかないよな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます