第17話 滋賀県近江八幡市 3
さて、京都からJR東海道本線で近江八幡駅まで。
駅に降りた瞬間、ジュリエットが空を見る。
「どうしたんだ、ジュリエット?」
すると、ジュリエットは空を指さす。
「おーい、モトカン! こいつが例の男だ!」
そういうと同時に、ふわりと空から半透明の生命体が現れた。
「……こいつは?」
噂には聞いたことがある。しかしながら、それが本当に私の知っているソレであるかを知りたくなった。
「見ての通り、マナと人類の魂が混じって生まれたゴーストだ。そもそも、人間の魂とはマナ耐性が低いからな、このように魂がとらわれる現象が発生する」
やはり、ゴースト……日本語で言うと幽霊か。
以前から墓地などで実際に存在しているという報告は上がっていた。しかも、科学的な分析でもそこに何かが存在していたことは判明していた。
だが、本当にゴーストがいるとは……。
「ジュリエット、そしてそこのゴースト……なぜ、ゴーストは姿を隠していたのか、ということを教えてもらえるだろうか?」
琵琶湖のドラゴンを調べようと思ったら、まさかのゴースト。これは面白そうだ。
すると、妙に派手な、それこそかつてあったバブル時代のような服装をしていたそのゴーストはいう。
「しかたがねーだろ、ゴーストってのは大体が今の人間社会が嫌いなんだ。だってなぁ……」
ゴーストは肩をすくめる。
少しためらった後、そのゴーストは疲れたように言うのだった。
「俺、羽柴秀次だぜ?」
「はぁっ!?」
私がひっくり返った。
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