第15話 滋賀県近江八幡市 1

 さて、大五郎からもらったドラゴンに出会おうと思うと……近江八幡まで行かねばならないことが判明した。

 近江八幡。

 滋賀県の湖東中部に存在している。

「……遠いな」

 まずは新宿まで向かい、中央新幹線に乗る。

 中央新幹線は新宿から甲府を経由し、真っ直ぐ名古屋を突っ切って奈良を通り、大阪に向かう日本最速の陸上交通である。

 私はこの中央新幹線に乗り込んで、一足飛びに新奈良駅まで向かう。

 新奈良駅は奈良駅のすぐ近くにある駅であるが、でかい。

 奈良駅にある喫茶店で待ち合わせの人物を待とうとしていたが……。


「ふむ、君が大五郎が紹介した人物か」


 声がして振り向くと……

「ああ、大五郎から紹介されたのは私だが……君が……ジュリエットか?」

 そこにいたのは、素っ頓狂な格好をしたエルフであった。

「いかにも、私がジュリエット。大五郎の兄である」

 ふてぶてしい顔をした鹿にまたがってキセルを吹かす、といういろんな意味で衝撃的過ぎる姿をしたエルフ、大五郎の兄だ。

 名前はジュリエットで男、もう少しこの世界の文化を学んでほしい、そう私は思った。

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