第12話 埼玉県さいたま市 7
「まぁ、単的に言うとエルフにとって甘いもの食べると絶頂しちゃうのです」
叫び疲れたのか、大五郎は再びホルモンをもしゃもしゃと食らう。
「……要するに、軽い麻薬か?」
認識としてはそんな風にしか見えない。流石に、十万石饅頭をたべてあんなヤバイ状態になるとはだれが思うか……。
「うーん……麻薬とは違います。どちらかというと、体中をマッサージで揉みしだかれたようなやばい感じです」
「……なるほど、道理でエルフが甘いものを食べているのを見た記憶がなかったわけだ」
私は今まで、日本全国を軽くではあるが一周した。
しかしながら、ドワーフがアイスクリームを食べていたり、九尾の狐がコーラを飲み干したりしているのは見たことがあっても、確かにエルフが甘いものを売っているのは見たことがあっても、食べているところは見たことがなかった。
なるほど、世界を注意してみろ、とはだれの言葉だったか。
こういった疑問から思わぬ収穫があるわけだ。
「では、エルフは一体何のために甘いものをたべるのだ?」
あんな意味不明なものを見せられたが、恐らく当然意味があると信じている。意味があってほしい。
すると、大五郎はさらっという。
「甘いものはエルフにとっては強制発情期を迎えさせるものです」
……あー……ちょっと納得してしまう。
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