第7話 埼玉県さいたま市 2
エルフ、というのは この日本に同化した異世界に住む一種族だ。
長い耳を持ち、北欧人のような見た目をしている。
男性は詩吟と弓矢に長け、女性は音楽と弓矢に長けている。
そういえば、旅先でエルフがお菓子の売り子をしていることが多かったが……あの十万石饅頭を売っている売り子に一つ聞いてみよう。
「もしもし、そこのお嬢さん」
とりあえず話しかけてみる。
「はい、十万石饅頭です?」
日本語の発音が微妙に違和感を覚える。いや、エルフという物を外国人と考えるとかなりうまい日本語だ。
「うむ、十万石饅頭を全て買い取ろう。その代わり、頼みがある」
私がそう問いかけると、エルフは首を傾げた。
「なんです?」
懐から手帳を出す。いつもブログのネタを集めるために記載するものだ。
私はエルフをじっと見る。金色の髪に緑の眼、白磁のような肌は典型的なエルフといっても過言ではない。
「少し、インタビューを受けてもらいたい」
正直にそういった。すると、エルフは少し考え込んでから言うのであった。
「いいです。その代わりなんか奢ってくださいです! 具体的には焼肉とか!」
「ま、まぁいいが……」
意外とエルフという生き物は現金である。そう思わされた。
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