第2話

 今日のデートの場所は、深大寺周辺。美波は花が大好きだから植物公園に行ってそこでたくさん写真を撮ろうと思う。

 

電車とバスを乗り継いで45分。目的地に着いた。

 入場券を買って中に入ると、そこには"古城の踊子"と呼ばれる名の赤い花がきれいに咲いていた。


「美波、そこにちょっと立ってみて?」

「ここ?」

「うん、そう」


 僕は早速、彼女を赤い花の前に立たせ、可愛い写真を撮ろうとカメラを構える。

 美波は花の前に立って、ワンピースの裾をちょっと掴んで可愛いポーズをしたりしている。僕は、突然早まる鼓動を落ち着かせながらシャッターを切った。


「どんな感じ?」


 そう言って覗いてくる美波は、レンズ越しよりもずっと可愛くてまたひとつ好きになった。


 それから僕たちは手を繋いで他愛のない話で盛り上がりながら植物公園の中をゆっくり回った。美波は、ずっと笑ってとても元気。その瞬間もカメラの中におさめる。

 僕の手を離して突然走り出したり。何かと思ったら、わー!って叫びながらこちらに走ってきたり。

 びっくりする僕の表情を見て、向日葵のような明るい笑顔ですごい楽しんでるから僕も楽しくなるし、こんな可愛くて素敵な人と付き合えて幸せだなと微笑ましくなった。

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