第3話 進展と......
私たちは孤児院を後にした。何か禁忌にでも触れたかのような気分だ。まるで、底なし沼の様な恐怖や不安に飲まれている。
「ねえ、フレディなんかおかしくなかったかしら。まるで二人いることを知っていたかの様じゃなかった気がしてならないの」
その通りだった。そのことを話した時のフレディは驚きよりも、悲しそうな、心配したような瞳をしていた。何かることは間違いない。だが、本当に真実を明らかにしてもいいのだろうか。
数日して、ランから連絡があった。できれば、顔を合わせて話したい。との事だったので、すぐに図書館に二人で落ち合った。
合うなりランは私の肩をつかんで落ち着いて聞いてほしい。と何度も繰り返し言った。
「私たち、孤児院の皆はクローンかもしれないの。何でかって言うと、少し長くなるのだけれど、フリードリヒ2世の忌むべき実験にそっくりなのよ。義母はその研究をしている研究員かもしれないの。もしくは、機械かもしれないの。おかしいと思ったのよ。私たちは着けていないマスクを昔からつけていたものね」
確かにそうだ。義母には私たちは着けていない、口元を覆うマスクを常に着けている。
「そうなると、義母は、ライ母さんは、機械になるってことだよね……」
機械仕掛けの星 ニコ @NicoNicokusunoki
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