メアリーと迷いの森 2

エルフに届け物をする任務を

ピクニック気分でメアリーとクリスは

出発!


もう一人はリトルシャーウッドの部隊では

とても優秀な筆頭候補 リンダ


真面目で忠誠度高

メアリーに心酔しすぎて怖いところでもある


「私が前衛兼偵察を!」

リンダが申し出るが


「いや、邪魔だし見づらいし」

容赦なく断られる!


森の中ではメアリーは異常なほどの

探知能力 ルールすらもわかる

森人と言って過言ではない!


鳥が飛び立った何かがいる

小動物だろうとか


小動物が逃げてくると肉食の獣が

いるかもしれない


虫の音がしない!

ゴブリンなどが身を隠して息を潜んで

伏兵を、仕掛けているかも知れない


問題ごとが起きる前に事前に対処

知恵のある魔物 魔獣幻獣にも

昔の頃はお爺さまと会ったことがあるので

森のことやルールはよくわかる

つもりでいる


大抵の場合にはまず警告

威嚇の唸り声や念話での警告が来る

それを無視した場合

森の掟

どうなろうが自己責任


逆にルールを理解しすぎている

過信から問題が起きるのだが・・・


メアリーの昔の隠れ里まで

半ばまでの頃


細い煙を遠くから視認

ちょっと待ってて


森の中では驚くべき身のこなしを

見せるメアリー

木の枝にジャンプして大車輪の鉄棒のように

廻り何回も上昇


木の頂上付近まで登り偵察

ハンター用のスキル【鷹の目】

スナイプモードで確認


森の火事でも村の火事でもなく

ご飯のための炊事の煙


人型の魔物か人間かよくわからない

人間も善人とは限らず危険なので

面倒ごとには関わらない方針


奴隷商人とかだと面倒くさいにも程がある


多分昼を取ったら移動するであろうと

逆読み慎重に遅れてからその炊事の為の火を起こしたであろう場所に


昼過ぎに到達

これは仲間ですね

森人が狩りをして時給自足の食事の後


多分保存の効かない

肝臓のレバーなどを食べて

村に鹿などを持ち帰ったのであろう

骨などないし保存食なら火など

特に使わないし

骨に矢尻の跡や剣や槍の跡など観察すれば

冒険者かハンターか更に識別できるのだが



石で出来たかまどがそのままなので助かる

移動の点から狩猟した小動物をリンダの荷物袋から出して簡単な調味料で焼いただけの

食事を皆で楽しむ


自然の旨味を出していて美味しい!

リンダは大袈裟に喜び褒め称え


慣れてしまっている

クリスはもっとスパイスの濃いめが良かった

とか無駄口


そんな贅沢を言うのはその口か

メアリーに口をつねられて引っ張られて

笑っている


食事の後の休憩を済ませて出発

もう隠れ里の村が近い!


強力な魔獣などいない筈と

予想していたのが悪かった!


森の主とまではいかないが

生態系の上位草食動物を狩る


巨大な美しい獣

ジャイアントシルバーウルフ

銀狼の若い個体

車並みの大きさがある


はぐれて気が立っていたのか

攻撃されたわけでも

子供を奪われたわけでもなく

特に意味もなく


突如メアリーたちを襲う

メアリーはギリギリ察知して

威力の込めた【豪撃】頭に打ち込むが

骨の硬さに貫通できず

遅れてリンダが幾度も矢を打ち込むが

大したダメージにならず!


クリスを守りながら戦っていた

メアリーが傷を負い怒り狂った

巨大なシルバーウルフに弾き飛ばされ

組み伏せられる!



メアリーはコレは無理かな

人生終わったか・・・

死ぬまでに彼氏ぐらい欲しかったかなー

覚悟したところで



【我の眠りを妨げるものは誰じゃ】

何もない空間から

偉そうな威圧的な声が脳内に響き渡る


その薄汚い足をどけろ

3秒待ってやる!


3 2 1


突如数十の黒い半月の刃が現れて

シルバーウルフを容赦なく解体

何故が返り血をメアリーは浴びていない


『契約違反だな!』

約定は加護を与えて見守るのみだったのだが


風が集まり

小型の女帝のような

錫杖や冠を被っている精霊が現れる


【シルフの上位精霊】

女王や女帝と呼ばれる

【風の女王 メイヴ様】


よくわかっていない

クリスやリンダでも視認できるぐらいの

強大な存在


慌てて精霊のことを何となくわかっている

メアリーがクリスやリンダを押さえつけて

平伏させる


大自然の化身

気分次第で人間など虫けらのように

処分できる存在



「くくく、人間にしては

よくわかっているではないか」


フッドの、娘

今回救ったのは【貸し1】だ!

お前を守護しながら眠っていたのだが

目が覚めたのではしょうがない


暇つぶしにとりつかせて貰おう

言うことはおわったのか

自然に姿が溶けるように消滅


「あわわわ」:(;゙゚'ω゚'):


メアリーあれはなんなんだ?

クリスが聞いてくる


風の精霊 シルフという次元を

遥かに超越した

大自然の化身 自然そのものに近いかも

人型をとって視認できて

錫杖や冠とか洒落にならない存在


シルバーウルフも気まぐれで一撃だし


この出来事は一瞬のうちに森を駆け巡る

魔王降臨と何ら変わらない!

【魔王の帰還】

数千年この地方を納めていた

大自然の化身の顕現

そして帰還


木の精霊は根っこどうしで通信をして

風の精霊のシルフたちは噂好きで

一斉に森に広げ

水の精霊は川から水棲生物に一斉に伝える


北oの拳で言うなら世紀末覇王のラoウ

帰還騒ぎである



森の代表達で木の根を使った電波のやり取り

ここいら一帯の全戦力整えても

倒すの無理だろ!

たとえ揃えても

指揮をとる無謀なものは居ない!


トロールやドラゴンですら

瞬殺されるに決まっている!


ここで一番悲壮なものが

狼の種族

あろうことかメイヴ様の守護している人間に

何の理由もなしに襲いかかる惨事


【一族郎党皆殺し】機嫌次第でそうなってもおかしくはない!


最古参の古狼 600才

以前メイヴ様に会ったことのあるものが

一族のために命を投げ出す覚悟で

詫入れに駆ける



先に恭順を示して支配下に落ちた方が良いと

高域エリアのMVPボスども

色々な魔物の主が我先へと

メイヴ=メアリーのところにかけ参じて


メアリー達が二重三重に包囲される始末

降りる場所が確保できない

ドラゴンすら数匹上空を旋回している

ボスパレード?!


「うわーんうごけないよ。」

・゜・(ノД`)・゜・。

この事態にメアリーは困り果てて

クリスどころかリンダまでもビビりまくる


先に訪れた

古代種に近い古狼


メアリーに念話で頭に話しかける

「うちの若いものがすまないことをした!」

「ワシの命を持って償いたい!」


「いやいやいやそんなことされても

【迷惑】です!」


「あのーメイヴ様は何処に?」


「私に取り憑いたとか言って消えた!」



魔物の主たち「?!」

更に一斉にひれ伏す!


「うちらの一族だけは!」

「妻や子や領民が居るんです!」


「あの邪魔なんでどいてくれませんか

困るんです!解散!」

号令でもかかったかのように


一斉に波が引くように

魔物たちが去っていく!


残ったのは古狼一匹

歳を取ってるとはいえ

襲ってきたシルバーウルフ並みにでかい!


「じじいですが詫入れに何でもします!」

「下働きやパシリにでも使ってください!」


できれば帰って欲しかったのだが・・・

(´・ω・`)

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