小さな貴族 ヘンリー・ブラックモア

陽天さんは憧れのメイド生活に入っていたのだが・・・


ギルマスのソラ命令で

【冒険者ギルドのクエスト消化して

セリカさんを助けてこい】


暇を持て余していた

マリーやマチルダに指令を出す!


クエスト未達成だと依頼人からの

お金がギルドに

入らないしギルドの評価が落ちかねない!


ソラからすれば

【セリカさんの幸福こそが至上目的】


「陽天行くぞ!」

相方のマリーに言われてしぶしぶついていく


「こちらには陽天がいるんだ!

【ミノタウロス】ごとき余裕余裕

素手で肉弾戦になっても

勝てると信じている!」


私は化け物か・・・


依頼品は敵の武器

【大型の斧】【ミノタウロスの頭】

一つ剥製にでもして飾るのであろう


牛肉パーティができるな!

肉は牛そのものだ!

かなりの巨体なので一匹持ち帰れば

十分だろう


ミノタウロスがいるといわれる

地下神殿に侵入 

PTはマリー マチルダ 陽天


ミノタウロス討伐適正LVは60

LVに関してはマチルダは既に65

マリーは60 

陽天は35なのだが

陽天は能力スペックがいろいろとオカシイ


力(STR)などマチルダの5倍

HPなど10倍ある

重戦車ギガントそのままだ!


準レイド級モンスター最低でも6人PT 以上が

推奨なのだが全く問題がない!


早い段階でミノタウロスに

エンカウントするのだが・・・

「あっ!」

陽天の攻撃でミノタウロスの頭が爆殺される


「頭に攻撃していけないのは

難しくない??」


頭を残して倒すのは苦労する

中々死んでくれない・・

次も仲間の危険を感じて

仕方なしに仕留める

陽天は力や体力はあるが

器用さがないからねー


そう思っていたら個々の支配階級

ミノタウロスを連れ立った

【巨大ミノタウロス】が

地響きを立てて現れる


マリー「危険を冒す必要はない!」


マチルダ

「いやいや、ミノタウロスの頭には

違いがない!」

「あいつなら達成報酬を

10倍は吹っ掛けれる」


「陽天あのごつい奴なら攻撃したところで

簡単には頭などつぶれない!」

仮に損傷しても貴重なので修復して

剥製にするだろう


大型のこん棒やメイス

スマッシャーを使う陽天なのだが

この前手に入れたオーガの武器

【血塗られた大鉈】

出血追加効果ありを引き抜き


前衛のミノタウロスにとびかかり

頭を真っ二つにする


マリーは素早い身のこなしで器用に

敵の足の健を切断する

そいつを放置して

先輩のマチルダと連携を取り

動きで敵を翻弄して首が下がったところで


マチルダさんが切れ味の鋭い

水の属性剣【水の乙女】で

必殺の一撃を首に叩き込む

大きな首が綺麗な切断面で

ずるりと落ちてくる


陽天はすでに「ごつい奴」と

戦い始めている!

マリーとマチルダは急いで足の健を切断した

やつを仕留めにかかり仕留める


ごつい奴は鉈で切り刻まれ血だらけなのだが

【体力HP容量が色々とオカシイ】


「陽天!仲間を呼ばれると厄介だ

早く仕留めにかかれ!」

言うのは簡単だろうが大振りの斧を

回避しながらの戦闘


ああ、そうか、

【自分らしい戦い】で行くか!


大振りのあとの隙を見計らって相手の

懐に飛び込み厚い腹板に最大の力をためた!

【ミスリルすらぶち抜く膝蹴り】を

お見舞いする

口から血反吐を吐いたのを

お構いなしに相手の顔面に

必殺の【ヘッドバッド】

これで倒せるとは思っていない!


倒れかけた巨体の裏に回り

【ホールド首を絞め】て

相手を失神気絶に追い込む!

最初っは必死の抵抗をしていたがこいつも

生き物器官をふさがれ

酸欠で【呼吸困難で落ちた】ようだ!


マチルダが首を切断しようとするが

剣の根元まで使っても

切断しきれず陽天がねじ切る


「肉どころではないな!

予定は狂ったけどまあいいか」

この上位種族の大型の武器は

陽天が装備して持ち帰る


残り二人マリーとマチルダで

この大きな首を運ぶ


「いやーなんというか乙女の仕事

ではないねー」

「こちらの世界を選んだのだから

しょうがない!」


公平PTだし【Aランク昇進】も

可能性がある!

立会人がいなかったのが残念だ


これから報酬をもらい一時の美酒に

でも酔いますか!


レベル マリー 65↑ マチルダ70↑ 陽天38↑に上昇


陽天さんは別格なのか必要経験値が

莫大に違うようだ!

ギルドに戻り成果報告で報酬待ち

【凄い戦果】なので大勢のものが

集まり誉めたてる!


女たちだけで倒すとか、しかも3人でスゲー

冗談でもからかえないな、

姉御とでも呼びましょうか

ギルドランク昇級間違いないんじゃないかとか噂になっている!


そこで【運命的な出会い】が起きる!


このクエストの依頼人

【金髪で子供】のどこぞの

お貴族のお坊ちゃまが現れる


ダグが追い出すかと思ったら

【依頼人のVIP対応】

ギルドにお金を落とす上客の様だ!


ギルドのマスターのセリカさんまで

〖会釈〗して

何故かマチルダさんが〖硬直〗している

どこぞのバカ貴族の様な隙だらけの

歩きや軽い口調



ミノタウロスの首を眺めて

「おおう!達成したのか

よきかなよきかな!」

「今後も精進するがよい!」


「やっと上位種の首を持ち帰れる

ものが居たか名前を聞こうか?」


「マチルダと申します!」


「マリー」


「陽天と呼ばれている!」


その時偶然、陽天に

??風か何か気のせいだろう


マチルダ、この貴族に吹っ掛けるんじゃなかったのか?全く言い出さないので


「上位種のミノタウロスを倒したんだ」

「報酬は5倍から10倍は貰いたい!」


「ほう随分と威勢の良い口を利くものだ」

残念ながら手持ちは金貨2000枚しかない

2倍では足りんか


ああ、無いこともないか


懐から大きめのコインを出してピンと跳ねて

マチルダのほうに飛ばす!


「釣りは要らない、受け取るなら

私の誕生会に出席するように」

そう言い残して

お伴もつけないボンボンが

そのまま去っていく


マリーはつぶやく

「マチルダそんなおもちゃ渡されて

満足できるのか?」

「普段の【金の亡者】はどうした!」

「私が返してくる!」


其処で鋭い制止の声

ギルドのマスターのセリカ

「よしな!

それはうちら〖卑賎〗のものが持つと

身を亡ぼすほどの〖高価な代物〗」

【プラチナ硬貨】

含有率がこの世界では限りなく少なく


【金貨1万枚の価値】があり

王族や皇帝 法王でないと

中々手に入らない代物


悪いことは言わない早く換金したらどうだ

金の力は恐ろしい

そのまま骸をさらすことになる!


貴族のマチルダは解っていて

硬直していたのであろう

あの坊やよほどの貴族か王族なのか


ふと見ると

〖地面にボタンが色々転がっている〗

さっきあっただろうか??


マチルダは冷や汗をかきながら

私と陽天以外は・・・



陽天は伴も釣れず強盗や誘拐されては

まずいんじゃと思い

ちょっとした良心から追いかける

案の定追いついたら


ゴロツキども5人に囲まれて

「お貴族様よ~有り金

全ておいていけば命までは取らない!」

「それがお互いの幸福ってもんだじぇー」


耳障りな汚い声が聞こえる


「これだから裏通りの下賤のものは」

「貧しくて心の清いものへの

施しならまだしもお前らの様な

ゴミに払うものはない!」


遅れてきた陽天とも目が合い

敵とでも判断したのか

睨みつけられたが、


そんなのお構いなしに不意打ちで

ごろつきどもを殴り飛ばす!

一振りの巨大な腕で二人を

同時にノックアウト

逆の左手でも同様に殴り飛ばされる


あえて一人残したものを猫の首でも

持つように摘み上げ

警備兵のところまで連行する


この一連のことが面白かったのか

「お~」パチパチと拍手をしながら

このボンボンもついてくる


「お主は気に入ったぞおー

背が高いし強いし女性だし

面白いことこの上ない!」

「女性を侮るやつに

ぶち当ててみたいものだ!」



いつの間に昇ったんだか

私の肩の位置にきている

「高い視点は気持ちいいなー

我はチビだからな、ははは」


「主の戦いは洗練や優雅さがまるでないが、

派手で見せつける能力がある」

「うちらにはない戦いだ!」


警備兵の所に放り込んだ後、肩にのせて

命令のままに付き合い歩き

別れることになる、


おおうそうだ!待っておれ店に飛び込むと

フリル付きの傘を持ってくる

【日傘じゃ!お主も〖乙女〗だろ

肌は大事にすることだ!】


この変わった貴族様と

ここで別れることになる

陽天は思う

この赤銅色の身体に日傘とか・・・

白い肌ならわかるのだが・・・

雨の時さすのに使うべきであろうか・・

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