1話 ダンジョンに放り込まれた乙女たちのデスゲーム2

目隠しで運ばれ良くわからない石牢に放り出されたと思ったら

私のほかにも数多くの女性たちが居る

私と同じく同時に此処に送られた方もいるようだ

石牢ではなくて広間の部屋らしい!


さてどうするか・・・


と思っていたら親切な方が、

「よう!新入り!ようこそ、このくそったれな世界に!」

「なんでも此処に閉じ込められて祈りを永遠と捧げる場所らしいぜ!」


言葉使いが荒いと思っていたら胸に【自警団のバッチ】が・・・


「あなたも富やお姫様に騙されてきたのですか?」


「それは言いっこなしだ!」

「そうだな戦場では騙されたほうが悪い!」

「だまし討ちなどよくあることだ!」


「大事なことを教えてやる!だが、うちの【派閥】に入ってもらう!」

「まず、トイレはあそこにある!」

「食事は昼と夜の2回支給が出る!」


ちゃんと祈りを捧げる仕事をこなせばだがな・・・


「ここはどこなのですか?」


「解らん【迷路ダンジョン】のようなつくり」

「この部屋を抜け出たところで生き残れる保証はない!」

まあここは『安全地帯』のような場所だ!


この部屋の出口にスケルトンが置かれている!

此処から出るのを封じているようだが・・・


「うちらを嘗めてかかっているのだろう

LVの低い【スケルトンソルジャー】

剣と盾を装備しているがその気になれば倒せる!」



此処で大事な話


この世界には『二つの派閥』がある


【此処で死ぬまで祈りをささげ身の安全を守り生き抜くか】


【この場所を脱出して外をめざし自由を夢見るか】


そんでうちらは【後者】だ!

既に何名もの仲間が死んでいる!

これからは〖第三期目の部隊編成〗だ!来るなら快く迎え入れよう!



ほかは死んだような目をして祈りをささげ続ける存在

祈り続ければいつの日か出してもらえるんじゃないかと信じる人たち

どちらが【正しい行為】なのか解らない!

座して死を待つ!のは趣味ではない!


仮に何年も此処に居たら歳が30歳を超える!

この世界での結婚適齢期


メアリーも好きな殿方を見つけ結婚するという願望がある!

先ほどの部隊長のような方は【自警団のマリー】

そちらの仲間に加えてもらう!


「こいつは【新人のメアリー】だ能力は未知数」

「一人前になるまでとりあえず面倒を見てやれ!」


此方側のメンバーに入った者達は、家には子供が・・

生きて旦那や彼氏に会いたい!

私のように自由を求め行動を起こそうという人たち



新人に対して説明会が始まる!

マリーはさも良いことでもあるように


「食事は2食しか出ないが味はそれなりにうまい!」

「更にここでは朝が遅い!普通に考えれば自堕落な生活もできる!」

「祈りは朝の10時から始まる、でも監視するものが居るのかいないのか

よくわからない!」


「此処に私の友人が居るのだが、元々はぽっちゃりどころか

【樽体系のデブ】がこのありさま」

すごく痩せた綺麗な女性に変わり果てている!

これがうちらの生き残りの成果


「此処を抜けれたらモテモテだろうな!」

くだらない冗談を言いつつ新人たちを和ませる!


お前ら新人は第三期目の部隊だ!

今までの成果は第一期目があのスケルトンを倒し

扉を破壊して外に出たら広いフロアのダンジョンと言うことが解り

この階にはほかに敵が居ない!下に降りる階段があり


その手前に『身動きしない人形』が座っている部屋がある

こいつは動かないのでとくに害がない!


此処を1Fとするなら


次がB1F そこにはゆっくり這いずりまわるゾンビたちが居る

ひっかきや噛みつき攻撃 取り囲まれて

大勢に身体を押さえつけられたらアウトだ!

身体中が食われてあいつらの仲間入り


幸い動きは遅い大勢のゾンビに通路で挟み撃ちにあわない限り逃げ切れる!


そしてB2Fがスケルトン 此処にいる歩哨の奴よりは弱いし

武器も装備していない!


多分村人のなれの果て兵士のスケルトンではない!

スケルトンには【特性】があり持ち場を守っている節がある

こいつのように持ち場以上に追いかけてこないものや

特定の順路だけを回るもの


ソンビはひたすらこちらを喰いに来るがスケルトンは其れがない!


一匹ずつ大勢で各個撃破これが解るまで

B3F 到達まで一期目の部隊は少数なので半数が命を落としている!


B3Fから厄介なのが武器を持った兵士のスケルトン

この部屋にいるやつと同じだ!


ソード ジャベリン メイス 弓など確認されている!

だが、スケルトン特性は同じ一匹ずつ各個撃破

追いかけてくるギリギリのラインさえ見極めればそこからでて

【安全地帯】に逃げ込めばよい!


そしてB4Fで部隊が【2度壊滅】


私を含め第一期からの生き残りが5名 つい前日2期目の部隊が壊滅している

人型の知恵のある魔物たちが居る


他種族混成 ゴブリン コボルト オーク 

そして【指揮を執るオーガ】が居た!


ぶっちゃけ【オーガが率いる小隊】になると【冒険者でもBランク】は必要

【支配種族】だ!こちらがPT組んで知恵を使うのと同じだ!


あそこには多分まだ生きた私たちの仲間がそれなりにいる!

うちらの先輩たち一期目 二期目が捉えられ

性欲豚オークの慰み者にされ苗床にされている!


一刻も早く救出したいが・・・まだ雌伏の時、準備段階そんなところだ!


「これだけでは何もよいことがないと思えるだろう?」

「お前ら村人では一生喰うことができない豚肉が食える!」

「性欲豚は旨い 普通の豚以上の価格で取引される」


要はお貴族や冒険者並の食事ができる!


其れからは美味しい焼肉の豚の部位などパーツに分けて説明

其れなりに楽しい講義で終わった。


まあ実戦を知らない新兵 ニューベイビーまだまだ赤子ですから・・・

正直、女性だけの戦力でいかなることができるのか?

マリーさんは頼もしいが・・・ほかは大丈夫なのか?

そうまっとうな考えになる!


そう思っていたら【褐色の地面が動いた!】


何事だ!そう持ったら可愛らしい声で「う う~ん」

動いたのは巨大な物体


2メートル超の大女 スゴイ筋肉と身長

起き上がると頭が天井近くにある!


「陽天」ようてん シャンデリアを壊すなよ!


ようてん?

皆が驚いてみていると

マリーは言う、異国の部族で名前が聞き取れないので私がつけた


ヨークシューシャテンシャスク??


色々とギャップに困るだろうが・・・頼もしくいい奴だ!

皆が驚いて私も含む今回の新人たちは距離を取ろうとするが・・

この人は頼もしいし信頼のおける仲間に入れてくれるなら交流も悪くない

どうしても性格で折が合わなければそのとき考えればいい!


「ようさんでいいのかな?」

「あなたも王子様やお姫様に憧れて・・・」

おお!聞いてくれるか?とばかりに嬉しそうだ!


「名は?」

「メアリーです!」

其処からは自慢ともいえる身の上話

後ろからけらけら笑うヤジもあるが無視をする!


何でも部族では小柄で可愛く器量よしの存在だったらしいが・・

現住部族ではなく、都会の街の生活に憧れて街に来ていたらしい


何故か数多くの冒険者や兵士 自警団に声をかけられ入隊してくれないか?

給金は弾むと言われたのだが・・・


私は【都会の生活に憧れた花も恥じらう乙女】 あまりにしつこいので

〖軽く〗街の外壁を蹴り飛ばしたら少しばかりの振動と穴が開いて

皆が快く諦めてくれた!


この街で何か仕事をしなければ、と思っていたところ

女性の自警団のマリーさんに拾われ面倒を見てもらっていたところに

この好待遇の仕事の話


王子様や姫様に憧れてマリーさんへの恩返しに

お金を稼ごうとしたのだが・・・・


後ろでは「オカシイ遠近感が狂って見える!」

「メアリーお嬢様逃げてー」

「軽く頭をなでて首が折れるに賭ける!」とか


相変わらずふざけたヤジが飛んでいる

見たところ古参兵この場に慣れて悲観するどころか楽しんでさえいる!


「一次審査で不合格の通知する人なんか顔面真っ青で小便漏らしていたとか」

「多分可愛い王子様をひとの飲みに・・・」

「いや、手のり文鳥にするのかも・・」


陽さんが二つの指で無造作に石でできた椅子をつかんで

その方角に放り投げて一時的に静かになる

よく見ると【その後ろのスケルトンに直撃】して

スケルトンが・・・粉々になっている・・・

マリーがすかさず、スケルトンの武器と盾は回収しておけと指示を飛ばす!


「この方が居れば余裕でこの場所を脱出できるんじゃ・・・」

マリーが言葉を引き継ぐ


「甘いねB4Fには陽天と同等もしくはそれ以上の大きさのオーガが3体いる!

モンスターが組織立って全てが一斉に襲い掛かかってくる

フル動員されたら300はモンスターが居る」


「この前は仲間を犠牲にしてでも逃げるしかなかった・・・

全滅したらまたゼロからのやり直しになる!

生き残り情報知識の集積共有が長期戦では重要になる」


マリーは思う被害者に期待するのは悪いが

聖職者や魔法使い 聖霊使いなどが此処に送られて来れば・・・

もっと状況が良くなる!


だが、できればまだ生きているかもしれない仲間を早く救出に行きたい!

今は次の行動のための準備の段階だ!

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