1話 後宮の女帝 2

転移先のギグは思った!


これは大変なことになった多分、俺は生きて帰れないんじゃ

このダンジョンの2Fはモンスターが永遠と湧いてくる

【エンカウント率】が凄いというレベルではない!


敵が居ないほうが珍しいという狩場 俺でさえ単体なら倒せるが

3匹から10匹に増えたら・・・捌き切れるものではない!



ギルドとしては突き抜けた上級者の育成目的でのクエスト

ギルドに納める 収集品のもうけはギルドも少ないはず!


【モンスター500匹討伐】


これの達成者たちはPTを組んでしかも3組のPTの合計討伐数で500を達成していたはず


しかもその戦術がいつでも逃げれるように背後に出口を抑え見事な連携のもとに

達成していたはず!


ソロとかペア狩りなど馬鹿げている!

範囲攻撃を使える高名な魔術師もMPが直ぐに底をつき役立たずになる

神聖攻撃や回復に当たるプリーストも回復の為にHPを温存せねばならない!

安全に遠距離攻撃できるアーチャーも弾数に制限がある!


絶望しかない!

このイカレタやろうは・・・


「オイ!装備品がなってないな!」

「くれてやるこれを着ろ多分充分だろ!」


「バカ言うなこのレーザーアーマー革鎧はここいらで

一番強い獣からとれた皮で出来た一級品」

「これを脱ぐのは自殺行為!」


【聖なる炎よかのものの外装を焼き尽くせ!】


器用にも装備品の革鎧だけ見事に炭化させるその下の装備や

下着には傷一つない!


「ななな なんてことをするんだ!こいつは金貨20枚はする業物・・・」

「黙れ!いいから着ろ!」


「良くわからない材質で出来た黒い革鎧が渡される」

こいつは良くできた中々の品だ身体が心なしか軽くブーストされた感じさえする


そしてダンジョンの入り口を通り1Fなど無人の野を行くように

草でも払うかのように

下位の村人系のゾンビを倒し突き進む


「あんた神官戦士なのか?それともハイプリースト?」

「言っても解らんし答える義理もない!まあそんなものより上位の存在だ!」


そして2Fに着いたら広大な広間だらけのMAP アンデッドがバイオハザードの

ようにひしめき合っている


当然入り口で・・・・待ち構えない・・・


ええええ・・・・すたすたと歩いていき


四方八方から群がられモンスターの海に沈んだ・・・だが・・・


【邪なるものを聖なる風で塵と変えよ!】

『ホーリー・ウィンド』

聞いたこともない風魔法そして聖属性

一定範囲にいたものが全て浄化され装備品やアイテムだけがばらまかれている


この階を圧迫するものが減ったせいか周りの部屋からその4倍に匹敵する

アンデッドがなだれ込んでくる!


「風ごときでは倒しきれんか!」


【聖なる風よ嵐と化し不浄なるものを浄化せよ!】


『ホリー・ストーム』 聖なる嵐


見える範囲ないどころか遥か先まで台風のような嵐が吹き荒れる!


「ふむ‼三分の一はかたずいたとみるべきか!」


ダンジョン自体に対魔法防御の結界があるようだが・・・

余りに魔術の階位をあげすぎると外壁が崩壊しかねんな・・・


「まったく手加減でみみっちく狩るしかないのか・・・」


ギグは思う範囲魔法で十分虐殺しているじゃないか・・・

【其処に居るのは暴虐な死をまき散らす悪魔にしか見えない!】


これ以上になると古の伝説の【戦略級魔法になる】

エリア魔法と言われる数キロ数十キロを灰塵と化す魔法

高位の魔族が使うと言われ・・・


考え事をしていたら其処で蹴り飛ばされる!



「お前の仕事が解ってないようだな!」

何のための荷物袋だ!


満タンになったら俺がマジックボックスに収納してやる

また敵があふれ出している中どうしろと・・・

取りあえず近場のアイテムを拾い無作為に袋に詰めだす!


「はあ~」ため息をつかれ


「お前は何年冒険者をやっているレア度の低いものは捨てろ!」


「ですが!すべて回収すれば金貨数十枚に・・・」

「ちりも積もればなんとやら地道な作業が・・・」


言葉の途中で言葉がかぶせられる!


【限界いっぱいまでレアアイテムのみ収集する】


ホーリーウィンドで無造作に敵を倒しながら

出来の悪い生徒に教えるかのように

このモンスターのドロップアイテムは5種類


【ノーマル】から【レア】【スーパー】【シークレット】になる!

下位のノーマル2種はゴミだ!


レアクラスは10%の確率でドロップする!10匹に一つ


10秒単位で30匹は倒しているので絶えずそれだけ拾えばいい!

あと変わったものが出たらスーパー シークレット級のものだ

其れだけを優先すればいい!


2000匹に一つしか出ないアイテムが出るまでギルメンPTでは

帰らないというのがうちらでは普通の行動!それこそ何時間でも・・・



あとな私から離れるな死んでも知らん!以上だ!

アイテムを捨てるなど初歩の初歩だろ!これだから貧乏人は・・・

大体今回の目的はこいつへの・・・・


【SP切れた瞬間群がられて死ぬんだぞ!】そうギグは思っていたが

SPが切れる兆候すらない・・・


「馬鹿な!すでに3時間は居るんだぞSPは切れないのか

というか精神力が持つのか?帰らないつもりか?」



最初は悲鳴を上げていたミグも感覚がマヒしたのか・・・

黙々と鬱陶しいものでも払う様な作業と化している


此処のモンスターはソルジャースケルトンやゾンビ

曲がりなりにも兵士 錆びた剣や槍など装備している


何故か攻撃が当たらず当たっても大したダメージにならないことに気付く

あれ?なんかおかしいと思いつつ


武器で【強突き】を放ったら中級のソルジャースケルトンが一撃で壊れている

俺ってこんなに強かったっけ?

【公平PTでのパワーレベリングLV35~LV60に上昇】


「何遊んでいるさっさと仕事を全うしろ!

鉄拳制裁が来つつ鬼教官としてこの場に君臨するソラ」


こいつじゃ金銭考率たいして出ないだろうなー金貨5万枚は稼ぐ予定が・・・


うちの見習いのギルメンより低スペックだな!

だが、この世界のものを観察するにはいい機会だ!


此処も余裕になってきたか・・・緊張を付けるために下の階に放り込むか・・・


「おい!行くぞ!」

「とりあえず此処のボス倒してくるそろそろ生まれる時間だ!」

一定時間に生まれることを思い出し行動に移る


ギグ こいつはイカレテいる 【前人未到な下層】そして此処の主を

「とりあえずビール!」みたいな感覚で倒すとか言ってやがる!

防具では守れない攻撃の敵も出るはず・・・


「そろそろ帰りませんか【兄貴】」

「いつからお前の兄貴になったんだ!仲間意識もイイが」

「俺のことはボス!もしくは総裁そう呼べ!」


【解った!ボスを撃破したら帰る!】


下の下層に行くとレイス 幽霊だらけ美しい女性の幽霊もたくさん出る!

「ここはな後宮の跡地だ解りやすくいうなら姫君を集めたハーレムだ!」

最下層にお局様 皇后などがいる 残念ながら幽霊だがな!


珍しく憐れむような視線を中空に向ける!

モンスターのエンカウント率はそんなでもない!

攻撃しない限り襲ってこない姫君の幽霊がたくさんいる


最下層のボスの間


「わが眠りを妨げるのは何者ぞ!」


美しい衣装を着た【老婆】誠に残念でならない!

これがお局さま 此処のあるじだ!

大勢の美しい姫君のレイスを従えた後宮の女王


【倒すのは難しくはない!だが、どうしても試したいことが沢山ある!】

「ゲーム世界と違う面がかなりあり

【本来味方に賭ける魔法も対象を自由に選択できる】」


聖なる土魔法


【永遠の聖櫃】せいひつでこの大事なお局様を封じ込め

周りの取り巻きを【聖なる嵐で薙ぎ払う!】


そしてギリギリまで霊体のHPを削り解放


「我をもてあそんで満足したか?さあコロスが良い!」


其処で誰も使い手が居ないとされる バカみたいにスキルポイントを

削って覚えた魔法


【ソウル・リンカーネイト】多分あのカミサマとやらが使った

魔法と同系統、ようは転生だ!


HPを一ケタまで削らなければならないとかふざけた使用制限がある!

使用制限があり一週間はクールタイムに当てられる【ネタスキル】

アンデッドのスキル覚えてから人に戻り使うという目的で使うものだ!


【彷徨える魂よ!あるべきところに戻り人の身に転生せよ!】

ファントムのクィーンだった存在が消失し

実体が光の柱の中で形作られる!

そこには更に無力な老婆になったものに声をかける!


「この後宮を束ね管理していたお局様」

「どうか私についてきてくれないだろうか?」

「正直あなたが欲しい!」


「あなたの望みえるものを今回与えよう!」


MVPのボスキャラを【人間に転生】させてPTに入れる

多分人としての成長率も【S級】元の特殊スキルもっ持っているはず!


何より新しいギルドを立ち上げるには【優秀な財務大臣】

あと、【圧倒的カリスマで女性たちを抑えてくれる存在!】


【後宮の女王】 将軍すら操る能力のありそうなお局様


「支配することはあっても」

「人に求められるのは久しぶりだ!」

「我のような老婆・・・」


言葉を強くかぶせ

【あなたは十分に美しく若い!】


そこで信じられないことが起きる

無限回収していた老化の石50個の使用対象をお局様にして

50個あろうことか使い切っている!


みるみる若返り多分後宮でも最も美しく 知的で威厳にあふれた

美しい支配者の顔になる!


【後宮の智勇と美貌にあふれる女王様】

どうか私についてきてほしい!

これでも城持ちの太守なので色々なものを支配して管理を任せたい!


お局様は懐から鏡を出してまじまじと自分の顔を見て

【これは若く美しい黄金期の絶頂時代の顔】

ある意味怖いものは何もない!

この恩は返さねばなるまい!地位や住む場所まで保障とは・・・


我が名は【長橋の局】(ながはしのつぼね)

役職は勾当内侍(こうとうのないし)

【後宮全体の実務を取り仕切る立場となった。掌侍の第一臈(上首)】


わらわの力の限り尽くしようぞ!

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