第10話 恥をかかずに生きる方法
私は、恥をかくのが大嫌い。
もちろん、恥をかくことが好きな人なんていない。
だけど、最初から恥を恥と思わない人や、
何回も恥をかくうちに、慣れて強くなっている人たちは、正直、羨ましい。
私は、恥をかかないために、家にいる。
迷惑をかけないために、閉じこもっているのだ。
このまま年をとって、稼げなくなったら、
徒歩五分の海に入って死ぬつもり。
父もそうだったから。
何のために生まれてきたか。
そりゃ、恥をかかないため。
じゅうぶん恥だって?
障害者よりマシだと思う。
私は、インターネットの世界では神だ。
そして、案外、いい顔をしている。
無様な障害者には、間違いなく勝っている。
障害者が私のカタルシス。
シリアで、女性記者が紛争に巻き込まれて死んだ。
大騒ぎ。
自分が好きなことをやって、
のこのこ人の国に乗り込んで、写真を撮って、
金を稼いで、
食い物にして、
死んで、
彼女は本望だ。
毎日恥をかかないために、
私がどれほどの犠牲を払ってるか。
やりたいことなんか、やっちゃいけないんだ。
それを英雄扱いするな。
どこに行っても、恥をかくだけ。
父の口癖はこうだった。
『恥をかかなくちゃ。
商売は、恥のかきあい。
人生は、恥のかきあい』
そして、投資で大失敗をし、大恥をかいて死んでいった。
恥をかきたくなければ、ずっと家にいるしかない。
黙っていればいい。
誰にも合わないでインターネットを匿名で一生やっていればいい。
そうでしょう?
さらば愛しき地球人~忘れないうちに記録しておく~ 清涼 @seiryo
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